【対診の極意】分からない事をそのままにしてはいけません

紹介所の極意

最近、骨折の治癒過程を復習しておくか〜と思い、色々な新しい論文を引っ張り出してきて勉強しているほねゆきです。

はじめてラットの骨折モデルの組織像を見たのがもう10年以上前ですから、月日が流れるのは早いなぁなんて思いながら、院生時代ぶりに勉強してたんです。

そしたらびっくり。登場する単語が増えているではありませんか!

え、これなんだっけと思って調べると、記憶がいまいち蘇ってこない。よくよく考えると、いや、初めましてだなコイツ!!というのが何回かありました。勉強不足ですね💦

そんなこんなで、皆さんも、すでに勉強していて完璧だと思っていても、研究は常に進んでますので、なるべく知識のアップグレードはこまめに行いましょう。

では、今日は内科へ対診した時のお話です。

内科的疾患が柔整師の前に来たら

私たち柔道整復師の元を受療する患者さんの中には、内科的疾患など私たちの専門外の疾病を合併している人がいることを、これまでのブログでもお話しました。

一見して、私たちの業務範囲と思われる症状を呈していても、実は内科的疾患に起因する症状で、いくらその症状に対して私たちが施術を行ったとしても改善は見られないものもあります。いずれにせよ、内科的疾患など私たちの専門外の疾病が疑われる所見が見られた場合は速やかに医療機関に紹介をし、医師の診断を仰ぐべきです。

内科的疾患の疑いについて対診を行う場合は、明らかに内科的疾患の可能性を疑う所見が見られなくても、躊躇せずに対診を行う勇気が必要です。

「内科的疾患なのか何なのか分からないのですが、外傷性疾患の治癒過程だけで考えるとどうも経過が良くないのですが・・・もしかしたら、外傷性疾患以外の何かが傷病の回復を阻害しているのかも知れません。そんな、あやふやな状態でも対診して良いのですか?」・・・と言う質問を受けますが、どんどんと対診して下さい!

わからない時は、自分で今わかっていることを全て並べて、わからない人に相談するのは当たり前になって欲しいです。

自分が無知なことを知りましょう

内科的疾患について私たちは専門外なのですから、分からなくて当然です。当然、思うような経過をたどらないため首をかしげながら施術を続けるよりも良いでしょう?

「何か、別な病気が潜んでいるのかな~?」なんて不安を感じながら施術していても、ひとたび対診を行って医師からの回答が得られると、それまでの不安は一気に安心へと切り替わります。

対診を行って「異常なし!」と言う回答が返ってくることも少なくありませんが、内科的疾患の存在を指摘された場合は、その患者さんの症状所見について覚えておきましょう。それを繰り返しているうちに、内科的疾患が疑われる場合の対診の判断がスムーズに行えるようになります。

なお、今日のブログでは内科的疾患を疑う場合の対診についてお話していますが、内科的疾患のみならず、どの診療科に対して行う対診も、どんどんと行うことがお勧めです。

ほねゆきの注目するFreeTherapistLaboの柔整師である吉澤先生も、内科のみならず、歯科とも連携をとっているそうで、柔整師としてとても素晴らしいです!

実際の返信はどんなかんじ?

さて、17歳の女性が腰部捻挫で太郎の接骨院を受療したのですが、内科的疾患を疑って内科医院に対診しました。画像は、その時に返ってきた返信です。

ほねゆき先生 御侍史
いつも御世話になり誠に有難う御座居ます。
患者 ××××殿 17才 女性の件に関し、病状御報告申し上げます。

左腰部の疼痛に関し、御指摘の通りpyelitis(腎盂炎)が考えられ、念のため必要な検査を施行致しました。一般検尿及び沈査所見は正常、腹部学純写及び腹部エコーにて左腎その他著変ありませんでした。muscle(筋)部に一致してtenderness(圧痛)強く、myalgia(筋痛症)と考えられます。
貴院にて加療を受けるようpatient(患者)に勧めております。
何卒宜しくお願い申し上げます。
○○内科
○○○○(印)

対診を行うと、画像のように丁寧な返信が届きます。そのためには、丁寧な依頼状や紹介状の作成を心がける必要があることは言うまでもありません。