陳旧性足関節靭帯断裂の悲惨な結末②-2【解説編】

jintai_danretu22

どうも、外傷柔整師ほねゆきです。

この記事は現在(令和4年7月)、続き物として書いている「陳旧性足関節靭帯断裂の悲惨な結末」という記事の途中まとめのような記事です。

割とノンフィクションで、実際にあった話を味付けなく書いていっていますから、文字にすると話がわかりづらいんですよね。

けど、大事なことをいっぱい書いている。とほねゆきは思っている。笑

というわけで話の続きなんですが、ほねゆき自身がコロナで休んでいたこともあって、今回はこれまでの話の振り返りです。

これまでの話をまとめて、さらに、エピソードごとにほねゆきの所感を書きたいと思います。

では、みていきましょう。

登場人物を教えてください

今回の物語は実話ですから、舞台がほねゆきの接骨院です。

なので、登場人物はほねゆきと患者さん、そのお母さんの3人です。

しかし、今回の患者さんは整形外科やほねゆきとは別の整骨院に言っていますから、もっと多く感じるかもしれませんね。

それぞれに自己紹介してもらいましょう。

ほねゆき

年齢は非公開。柔道整復師です。都内の端くれで狭い接骨院を運営しています。看板もなく、集客するつもりゼロですが患者さんが途切れないので、閉めることができません。笑 今回も口コミで患者さんがきてくれました。

お母さん

今回のエピソードに出てくる、患者の母です。息子が怪我をして、まさかこんなに苦しめられるなんて思ってもいませんでした。。。

今回のエピソードの主人公となっている患者です。14歳の男で、中学2年生です。バスケを小学生の頃からやっていて、中学では部長候補でした。今回もバスケで怪我をするまでは。。。

さぁ、登場人物はこんな感じでしたね。

時系列を教えてください

では、時系列順に今回のエピソードを整理しましょう。

【既往】
約2年前(小6) 捻挫(左外果が腫脹して医科受診→2週間サポーター)
〜現在(中2)にかけて数回捻挫(そのまま様子をみる程度)


1ヶ月前:バスケで左足関節を内反し受傷
受傷同日:〇〇整形外科クリニック受診(捻挫としてギプスシャーレ固定、松葉杖)   
〜週に3・4回通院

受傷後2週:〇〇整形外科クリニックにてエコー撮影(靭帯が癒合しておらず、さらに2週間の固定と言われる)

受傷後2週2日:△△整骨院受療(サポーターに変更、松葉杖なし)通院開始

受傷後3週4日:バスケをやってみて開始10分で激痛
バスケ同日:△△整骨院にて松葉杖だけ借りる

受傷後4週:ほねゆきの接骨院受療(問診)

文字で書くと分かりづらいですね

線上に書いてみましょう。

まぁ、なんと見やすいことでしょう…笑

まぁこういったところですね。

問診しながら何を考えてたんですか

1)経過が長い

お母さん

怪我をした当日に家の近くの〇〇整形外科クリニックを受診したんです。そこでレントゲンを撮っていただいて、骨折はないから捻挫だろうと言われました。そこで治療をしてもらっていたのですが、なかなか良くならなくて。勝手に△△整骨院に行ったんです。でも、そこでもあんまり良くならなくて。友達にここのことを聞いて来た次第です。明日も△△整骨院に治療に来るように言われているんですが、ここに来ることは何も言ってません。

このお母さんの話を聞いて、ほねゆきは「患部の状態はあまりよくないまま日数だけ経過しているんだな」と感じ、同時に「自分が手を出していいものじゃない可能性が高いかもな」と考えています。

最初の受傷による組織損傷に対して治療するのであれば治療のプランは単純ですが、受傷から時間が経っている時点で不可逆性の状態になっている可能性もあります。

この時点で簡単に「治せます」などと言ってしまうと、後戻りできなくなるかもしれません。

経過が長そうな時ほど、しっかり話を聞くことから始めて、安易に自分の判断を言わないようにしたほうが吉です。

2)捻挫の既往

ほねゆき

今回以外、今までに捻挫は経験がありますか?

男の子

確か、小6の時に捻って病院にいったと思います。その後は、何回か捻りましたけど、歩けてたので全然病院に行くまでではなかったです。

足関節の捻挫や骨折がきた時には、必ず既往を確認します。

小さな捻挫でも、詳細に聞くべきです。

足関節の靭帯は、一度緩みがのこったまま(癒合不全がおきたまま)修復が終了すると、そこからなにをしても再度癒合の反応が起こることはありません。

つまり、元々足関節に緩みを感じていた場合は、捻挫に対してどんなに丁寧に治療をしても、元々の緩みのところまでしか治りません。

治癒後の足関節の状態が、治療が不良なことにより生じたものなのか、元々のものなのかはしっかりと判断せねばいけません。

この場合は、捻挫の既往があって、何回も反復しているので過去にきちんと治療されておらず、関節に不安定性が残っていた可能性大です。

3)検査の内容

ほねゆき

お子さんは未成年ですから一緒に行かないとトラブルが増えるので、あまりよくないですが、お仕事も忙しいでしょうから、仕方がないところもありますね。

レントゲンは何枚くらい撮ったか覚えていますか?

男の子

2枚撮ってもらいました。

このように、前医がある場合はできるだけ詳しく検査の内容を知っておかなければなりません。

MRIを撮ってほしいと思った時に、後で「すでに撮ってます」なんて患者さんに言われたら、その時点で問診不良で患者さんからの信頼は無くなるでしょう。

今回に関しては、レントゲンの撮影枚数で、なんとなくの撮影方向を知りたく、聞いていました。

2枚→正面・側面の2方向だろうな
3枚→正面・側面・斜位かな
4枚→正面・側面に加えて斜位を2方向とっているとしたらめずらしいな、骨折を疑っていたのかな、機能撮影をした可能性もあるからもっと詳しく聞くか
5枚→なんでそんなに撮っているんだろう、取り直しが多かったのかな、詳しく聞くか

などと考えます。

4)処置について

男の子

はい。骨は綺麗だから、捻挫でいいでしょうって言われました。それで、痛くて歩けないって言ったら、ギプスを巻くって言われて、その場で先生が直接巻いてくれました。巻いた後に、なんか熱かったんですけどカッターで半分にしてから、包帯です。それで、松葉杖でした。

シーネではなく、ギプスシャーレにされたということから、ほねゆきはまず「あそこの整形は柔整師がいるんだな」と思います。

医師が忙しい診察の合間にわざわざシャーレを作ることは考えづらいです。

そしてそこから、「柔整師がギプス上で歩行できるような固定の作成を試みたのかな」とか、「過去にシーネがすぐ破損したりしたことがあって頑丈に作りたかったのかな」などと考えます。

「シャーレにしたということは自宅での脱着をOKにしていたのかな」などと考えることも大切でしょう。

5)治療

男の子

診察券出したらリハビリのベッドに呼ばれて、リハビリの先生がギプス外して、ふくらはぎのマッサージと電気やってもらってました。

通院のたびに固定を外していたということは、その度に足関節に動揺が加わっていたと考えるのが妥当で、この時点で固定による断裂した靭帯の線維はくっついたり離されたりして上手く癒合しないだろうと言うことが容易に想像できます。

固定をする目的を腫脹の軽減くらいにしか考えていないんだろうなと、治療者の考えも押しはかることができるでしょう。

それか、既往を考えて固定をわざと緩くしていたのか。。。

6)症状の正体

お母さん

怪我してから2週間経った時に、また診察するって言われてたみたいで、私も一緒について行って、その時にエコーを見てもらいました。けど、なんかエコーでまだ靭帯がついてないって言われたんです。

男の子

その時はだいぶ腫れは減ってはいたんですけど、動かしたら足首のうちがわが痛くて、まだ足つけなかったんです。で、エコーみたら、関節がまだグラグラしてるって言われて…

お母さん

それで、あと2週間ギプスするって言われて、なんか大丈夫なのかなと思って。あそこの先生は優しいし、好きなんですけど…。

ここでもう、「外側靭帯は今回の受傷の前から元々癒合しておらず、今回の治療で足関節の動揺性が無くなることはない」というのは簡単に想像できますね。

2週の時点でグラグラしているのは、4週たっても変わらないんじゃないかなと考えるわけです。

そして、内側が痛くて足がつけなかったという情報からは、「距骨か内果の骨挫傷があるな」と考えるのが妥当でしょう。

2週間の間、シャーレで固定してたのにも関わらず荷重時痛が強いとうことは、骨挫傷が修復へ向かっていないか、足関節の滑膜炎が起きている可能性が高いと判断します。

固定する際に関節のポジショニングをうまく取らずに、さらに免荷させていたことによる弊害でしょう。

これは、治療をうまくやれば起きなかった症状かもしれません。

最後に

さて、こんな感じでほねゆきは考えます。

次はいよいよ問診後のエピソードになります。