さて、やっと暖かくなって参りました。
柔整師の国試も終わり、ほねゆきもそろそろ教員としての人生に終止符を打とうとしています。
専科教員として単年契約でここ数年はやってきましたが、色々と思うところもあり、なんだか疲れたところもあり、数年前からは既存柔整師に向けてもっと活動したいと思うようになったのです。
しかし、柔整師としての矜持を忘れたわけではありません。
学生さんを見ていてもそうでしたが、野望や野心のある方を見ると、今でも負けてられないなと思います。
またニーズがあれば教員もいいかなとは思っていますが、一旦は退く予定です。
さて、先日から TwitterのDMに「国試に合格したんですが、臨床に出るにあたっておすすめの本とかないですかー?」という質問が数件きています。
というわけで、今回はほねゆきが1年目の先生に贈るならこれかなという書籍をピックアップしてご紹介いたします。
では、レッツゴー!
かなり、ほねゆき色が出たラインナップかと思いますが、許してくださいね!!
あ、アフィリじゃないですよ!笑
ほねゆきは中古本推進委員会副会長です。
なるべく最新版の書籍であれば、多少ラインが引いてあったり折れ曲がってたりしても、古本で十分です。
私自身、今でもブックオフオンラインが好きです。絶版のものはフリマサイトがいい感じ。
要は読めればいいですからね。お金はもっと大事なことに使った方がいいのではと考えます。リッチな方は新品を買って出版社を喜ばせましょう。
「触診」部門
現代では柔整師は接骨院だけではなく、様々な現場で働くことが多いですね。
では、そんな柔整師にとって、そんな社会人1年目にとって何が大事かって、そんな問いに答えるのは正直難しい。
まぁでも柔整免許を活かして働くのであれば、どんな現場であっても患者さん、お客さんの体を触ることが多いのではないでしょうか。
徒手整復はもちろん、物理療法をするにしてもストレッチをするにしても、運動を指導するにしても、必ず体表からの理解は必要です。
学校で解剖学の知識を完璧にしても触診できなければあまり知識を使えないかもしれません。
もちろん、現場でお師匠さんに手取り足取り教わるほかないんですが、事前の知識は必須です。
そんな感じでおすすめはこちら。
『図解 四肢と脊椎の診かた』医歯薬出版
S.Hoppenfeld 著/野島元雄 監訳/首藤貴 ほか訳
触診の本じゃない!と思われるかもしれませんが、整形外科領域の診察に沿って触診のことについても多く触れられています。
最近の書籍にはない翻訳したことによる読みづらさもありますが、古くから多くの人に愛されている良書だと思います。
師匠から初めて譲り受けた書籍なので、私的感情でバイアスが多めにかかっていることもありますが、改めて手に取っても、基礎的なことって大事だなと思わせてくれる内容です。
「解剖学アトラス」部門
これは好き嫌いがはっきりしますが、臨床に出ても大事な書籍の一つでしょう。
私は個人的にはグラントを推しています。
本当は一番リアルなのは、白黒のプロの画家が書いた木炭画である原著初版なんですが、なかなか入手できませんし高額なことが多い。
なので、CG処理や着色がなされた現代の最新版でいいと思います。
最近は国内ではプロメテウスが流行っていますが、あからさまにCGで、それぞれが独立して描かれてるので、あまり具体的でリアルな脳なイメージの構築には向かないと思っています。
もちろん、プロメテウスはおおまかな位置関係や形態をイメージするのにいいんですけどね。
『Grant’s Dissector, 17th ed.(Int’l ed.)』
A.J.Detton著 WOLTERS KLUWER出版
グラント解剖学図譜が2022年7月に改訂され、第8版になリましたが、これが原著第15版に相当します。
しかし、原著(英字版)は2023年3月現在で第17版となっており、最新版です。
一通りすでに学習しているみなさんにとっては、論文を読むに当たって英字にも慣れて一石二鳥ではないでしょうか。と考えます。
あと、比べてみると面白いんですが、「これ英字版にしか書いてないよ」っていう解説もあるようです。
日本語がいいよという方は第8版の最新版をお勧めします。
「レントゲン撮影法」部門
まぁこれは柔整師の分野ではないんですが、実際には現場でレントゲンは少なからず目にします。
画像を見る際には、当たり前ですが、それがどういった条件で作られたものなのかを知る必要があります。
最低限は知っておきましょう。
知識は誰でも得る機会が与えられていますからね!
『ビギナーズガイド 単純X線撮影必携』
山下康行 他 医学書出版
整形外科勤務にあたって柔整師がレントゲン撮影の撮影補助に入ることは非常に多いですから、基本的なことはネットでも調べておきましょう。
実際には撮影法や画像の処理などはローカルルールが多い印象です。
「療養費」部門
これは法で定められていることがベースとなっていますので、単純に療養費支給申請にあたっては基礎知識がないといけません。
療養費とはなんなのか、とか保険組合との関係性とか、某整形外科団体が柔整師をどうしたいかとかっていうのはググればなんとなくわかるのですが、
実際に「ここにはこう書いてあるからこうだよ」って言うためには、法や行政文書がまとまった本を事前にさらっと読んでおいて、必要な時にすぐ読めることは大事なんじゃないでしょうか。
毎年出ていますが、柔整師に関係することで大きく改変があればすぐニュースになりますので、毎年買う必要はありません。
もちろん、療養費についてまとめてある本なので、柔整に関係のないことも多く書いてあります。
『療養費の支給基準 令和4年度版』
社会保険研究所
よく、接骨院勤務じゃないからいいやーと言っている柔整師がいますが、柔整師であれば柔道整復施術所の社会的立ち位置を知っておく必要があります。
医科の診療報酬と比べてどうなんだろうとか、柔整師法と療養費の縛りの関係性とか、柔整師であれば知っておいてほしいですね。
無知による自分の業界へのアンチ心が生まれてはいけないと考えます。
「エコー」部門
ほねゆきとしてはエコー撮影に当たって書籍は必要ないかなと思うんですが、「何もわかんねぇ」という方にとっては必要かもしれません。
基本的な描出原理と解剖の知識があれば、あとは当てる練習なのですが、それにあたって正解となる画像を知ってないといけませんね。
それをさっくり見ておきましょう。あとはググればいいです。
『超音波でわかる運動器疾患−診断のテクニック』
皆川洋至 著 メジカルビュー社
もう10年以上前の書籍になってしまいましたが、みんな持ってる有名な皆川先生の書籍です。
「実技?」部門
これは出版時に我々のほねつぎ界隈では有名になったんですが、あえてご紹介いたします。
多くは言いませんが、検索すると割と上の方に表示されます。
『クリニカル・レクチャー 柔道整復 実践技術』
平澤泰介 著 メジカルビュー社
買わなくてもいいと思いますが、読んでみていくつハテナが浮かぶか、何を学びにできるかをよく考えてみると非常に勉強になる一冊かと思います。
まとめ
さて、こんな感じで、私がこのラインナップにしたのは「これで治せる!」とか「この本に整復法が書いてある!」とか、そんな理想?の本はないよということをお伝えしたかったからです。
あくまでも、まずはそれがなんであるか、患部に何が起こっていおるのか、自分には何ができるのかとそういう思考順を構築しながら、
「患者さんってこういう風な行動とるんだ」とか「こういう言い方をしたらよく伝わるな」とかっていう本では学べないことを体験していってほしいなと思います。
整体であっても、整形であっても、接骨院であっても、まずはそこを、基礎的な思考順っていうのを1〜2年目にしっかりと構築した方が、その後の人生に幅が出るんじゃないかなと思います。
あと、もっといい本はあります。
なので、もっと自分でたくさんの情報を欲せられるように、トレーニングしなきゃなと思います。
では、また!
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