接骨院でアルバイトをするな

アルバイトにびっくりする男

現在、ほねゆきの接骨院には常勤のスタッフはほねゆき以外にいません。

整復などで人手が必要なときは、ほねゆきの周辺の先生に1時間5000〜7000円くらいでお手伝いをお願いしています。その人の技術力次第で、その度に時給交渉となります。名目上は外注です。

整復固定以外の普段の加療については、ほねゆきひとりで運営できることが多いですので、ほねゆきのような小さい接骨院においてはそれで十分なのです。

数年前まではほねゆきも積極的に研修生を受け入れていました。

学生さんを含め、研修生はあくまでもほねゆきの施術を”学ぶ”という目的で、多い時には5名を同時に研修に受け入れていました。研修に来る方達は当時、「お金は要らないので雑用しながら勉強させて下さい」という人しかいませんでした。

しかし、それでは研修生は生活をしていけませんし、ほねゆきとしても準備や片付けなどといった”業務”をお願いすることができませんから、少ないですが、手取り20万円の固定給+時間外の急患などでの対応時に手伝いに来た人には歩合で3〜5万円を支払っていました。

現在は、ほねゆきの接骨院は規模を縮小したこともあり、それほど研修生を受け入れる余裕がないので募集をしていません。しかし、学校の先生づてで研修を希望する学生さんから連絡を頂くことがあります。

さて、今日のブログでは、そんな学生の人たちを対象にお話をします。

学生さんからの電話

学校の先生には知り合いが何人かいますので、その先生づてに国試前後になると、学生さんから電話をもらう事があります。そこで、よくあるのがこのような電話です。

学生さん

(柔道整復科の)学生なんですけれど、アルバイトは募集してますか?

ほねゆき

アルバイトかぁ。で、どのようなことをしてくれるの?

学生さん

外傷に対する施術を学びたいので、見学をかねてアルバイトしたいんです!

ほねゆき

それはいいですね!学生の頃から外傷に対する施術を見ていれば、勉強の役に立つでしょうけど、見学とアルバイトを兼ねることってできるんですか?

ほねゆきは、自分の施術を柔道整復師や学生の人たちに見てもらうことについて何ら抵抗を感じません。

むしろ、ほねゆきの接骨院に来られる患者さんを一緒に見てもらったり、ほねゆきの施術を見てもらって、後でその症例について意見を交わすのが楽しみです。

ほねゆきのオープンチャットでも、質問には答えられる範囲でお答えしますし、自分の症例を出しています。

でも、いきなり電話で「学生だ」と言うだけで、名前すら名乗らずに「アルバイトがしたい!」と言ってこられる人には抵抗を感じます。

もっと、こう、ほら!

せめて、「○○専門学校の○年に在学中の○○と言う者です。〇〇先生から、ほねゆきの事を聞いて電話しました。」って名乗れないのでしょうか。

また、何を目的にして接骨院にやって来ようとしているのでしょうか?

電話で本人が言っているように、アルバイトをするのが目的なのでしょうか?

それとも、外傷に対する施術を見学しようとするのが目的なのでしょうか?

そもそも「アルバイト」と言うのは「本業や学業のかたわら、収入を得るための仕事をすること」です。「収入を得るための仕事」とは、「生計を立てる手段として従事する事柄」です。

一方、「見学」とは「実際のありさまを見て知識を広めること」

ですから、「外傷に対する施術を見学しながらアルバイトする」と言う表現はなんかおかしい!って思うのですが、ブログの読者はどう思うでしょうか?

みなさん、是非コメントください!!

見学してもらうのには抵抗ないものの、見学してもらってなぜ、アルバイト料を支払わなければならないんだろうなんて思ってしまいます。

前述したように、学生の人たちに来てもらって、全然お金を支払わないわけではありません!契約の内容によりますが、”業務”をお願いした場合はそれに付随する責任と対価を差し上げるようにしてきました。

なので、学生さんにはいつも「このお金は準備や片付けといった業務に対してお支払いしているのであって、外傷施術の補助というアルバイトをしているわけではないんですよ。」と伝えるようにしていました。

お金を稼ぐためにアルバイトしたいというのであれば、確実に接骨院より時給の良いところがありますので、それを探すように伝えます。そして、仕事の対価としてお金をもらう事はあっても、勉強だけしながらお金を貰うという事は社会ではあり得ないことも説明します。

経営者であれば、学生さんを「勉強させてあげる」という建前で集めて、実際には労働力として搾取するなどという事は容易ですが、そんなことしても、その学生にとっても良いことは何一つないでしょう。事実を教えることが学生さんのためになると思っています。

なんのためのアルバイト?

失礼ながら、学生の身分で何ができるでしょうか?

免許を持たないのですから、施術の補助しかできません。物を持ってきたり、患者さんを誘導したり、掃除や片付けをしたり。それなら、パートタイム職員として看護助手の人に来てもらいますよ。

症例を検討しあうと言う意味では学生に来てもらうのは楽しいのですが、接骨院の経営面から見て学生は非効率です。合間を見ては、施術を見学しますよね。その見学の間は仕事はしていないわけです。

看護助手の人は見学はしません。業務に専念してくれます。

ましてや、学生は学校に行かなくてはならない、試験期間中だからお休みするなど、接骨院にとって一人前の戦力には程遠いでしょうね。ちょっと言い過ぎですか?

ほねゆきの考え方としては、給料を目的として施術所でアルバイトしたいのなら「アルバイトをさせて欲しい!」と言うべきで、仕事の手を止めて外傷に対する施術の様子を見に行くのはタブーでしょう。その時点で施術所はアルバイトをする場所となり、勉強する場所ではなくなります。

一方、外傷に対する施術を見学するなどして勉強したいのであれば「研修をさせて欲しい!」と言うべきでしょう。「アルバイトさせてください」ではありません。勉強させてもらいに研修するのですから、給料は要求すべきではないかと思います。

「失礼な言い方ですが、お給料などは一切要りませんので、研修させて下さい!施術のお手伝いもさせて下さい!」なんて言うのはどうでしょうか?

「タダほど高いものはない」と言われます。

ほねゆきが上記のように言われた場合は、その学生の人が研修を行うだけの価値となるものを提供するように努力します。

また、このように言って研修に入ってきた人は研修にせよ、施術の補助にせよ熱心さが感じられます。そんな人に対して、言われたとおりに無給で来てもらう先生なんて、まずいないと思いますよ。

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2件のコメント

いつも楽しく拝見させていただいてます。

今回の記事、まさにその通りだと思いました。
自分が学生の頃、師匠にも同じように言われました。
しかし、いろんな面で未熟な為(個人差大きい)、愚痴ばかり言ってましたが、歳を重ね、自分で勉強し、経営者としてやっていく中でようやく本当の意味で分かってきました。

本来であれば、見学だけでも学ぶ側がお金を支払うべきだと思います。

お金をかけ、時間をかけ、経験して苦労をして積み上げてきたものを目の前で見せてもらう事ができるのですから、
見るだけだから無料と言うのは虫が良すぎると思います。

古い考えかもしれませんが、アルバイトをするので有れば、技術や思考を「盗む」気持ちが大切なのではないかと思います。

見る事が出来なくても、耳も有るので、どんな指導をしているか、どのぐらいで固定を外すか、後療を始める時期、症例ごとに何を準備しているか、考え方などなど盗める事はいくらでも有るはずです。

見る事はとても大切ですが、思考を学ぶことの方が遥かに大切なのではないかと思っています。
最近のSNSなどでも骨折の整復方や固定法などに目が行きがちですが、助手や、後の管理が同じぐらい難しく重要なのではと思います。

何をどう捉えて考えるかは、その場所で働かないと分からないと思います。

勉強に労働の対価を求めるので有れば、学びの対価も考えるべきだと思います。

心構えが大切なのだと改めて思いました。

いつもたくさんの情報やきっかけをありがとうございます。
頑張ってください。

中澤先生、コメントありがとうございます!

経営者とそうでない人の考え方に、大きく違いがあることに気づいたのは、やはり私も経営する側になってからです。

よく、社員みんなが経営者の視点を持てなんて言いますが、それには無理があると思います。それぞれの立場があって、初めて歯車が回り始めます。

今回の記事は、ほねゆきが「勉強するためには無償で労働しなければいけない」と言っていると曲解される事を危惧していましたが、正しく伝わっており、安心致しました。

決して「タダ働き」や「労働力が搾取されている現状」を推奨しているわけではなく、根本的な考え方で大きく利益幅が変わってしまうという事を、特に学生の皆さんに伝えたかったのです。

この度は、丁寧なご意見ありがとうございました!今後とも宜しくお願いします

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