柔整師法は矛盾している? – ② –

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さて、前回の記事の続きです。前回は柔道整復術ってなんだ?ってことから、柔道整復師の定義までお話ししました。

まだ読んでいない方は、この記事を読む前に柔整師法は矛盾している?①を読んでみてください。

では、続きをどうぞ!!

判断と同意

ほねゆきは過去にこういう意見を言われたことがあります。

通りすがり(1)

いや、それが捻挫なのか骨折なのかって柔整師が判断するんでしょ?骨折なのにそれが分からなくて捻挫って判断すれば、医師の同意どうすんの?

確かに、よくよく考えるとちょっと変わったルールのようにも思えます。

「骨折や脱臼であれば2回目以降の施術は医師の同意が必要で、打撲・捻挫等は柔道整復師の判断で施術加療していい」というルールは理解できました。

では、そもそも “その怪我” が骨折なのか脱臼なのか、捻挫なのか打撲なのかの判断は誰がするの?と疑問に思う人もいるでしょう。

結論から言うと、患者さんが柔道整復師の施術所に来た場合は、柔道整復師が、そもそも “その怪我” が骨折疑いなのか脱臼疑いなのか、捻挫なのか打撲なのかを判断します。

ここでこんな風に言う人がいるかもしれません。

通りすがり(2)

え、じゃあ骨折だったとしても柔整師が「捻挫だ!」って判断すれば、医師の同意がなくても2回目以降も継続して施術できるの?

素朴な疑問ですね!

柔道整復師の判断には左右されません。

何回も言っていますが、柔道整復師法に定められている通り、柔道整復師は骨折・脱臼について2回目以降の施術をしようとする時には医師の同意を受けなければいけません。

つまり、それが実際に骨折・脱臼であるか、骨折・脱臼でないかによって、医師の同意が必要か不必要かが分かれます。

言葉は難しいですね。

例えば、柔道整復師が骨折を捻挫と判断したとしても、それが骨折である以上は、2回目以降の施術をしようとする時には医師の同意を受けなければいけないということです。

柔道整復師の判断によって骨折か骨折でないかが決まることはありません。

これは柔整師に診断権がないことからそう言えるでしょう。

頭が混乱してきましたか?いっぱい疑問が湧いてきましたか?柔整師法ってなんだろうって感覚に陥りますよね(笑)

骨折か、骨折以外か

まず前提として、日本において骨折か骨折じゃないかってどう決まりますか?

それには実は答えがないんです。

医師の診断で決まるんだ!という人がいるかもしれませんが、この世には100%の診断能力を有する人はいませんし、そんなものを求めたら医療は崩壊します。

第一に、診断はもちろん途中で変わることがありますし、経過を見ないと診断できないものもあります。診断や判断はあくまでも「名前づけ」に過ぎないのです。

医師には診断権があり、医師が骨折といえば骨折という診断になり、捻挫といえば捻挫という診断になり、それが運用上は正しいものとして扱われることが多いのですが、人がやっている以上は本当は正しくない場合もありますね。

じゃあどうなんだい?

結論を言うと、もちろん法は守らなければいけないのですが、診断や判断に100%はない以上、実際に患者さんに不利益があったかどうかが大事ということです。

例えば、骨折に対して医師の同意なく2回目以降の施術をするなどして、柔整師法第十七条を違反し、その上で患者さんに不利益があるなどした場合は業務上過失死傷(致死)などの刑法違反となる場合があるということです。

実際にいくつかの例を考えていきましょう。(あくまでも空想の例です。)

パターン1

①「骨折」の患者さんが接骨院に来院
②柔道整復師が「捻挫」と判断
③2回目以降も継続して施術(←柔整師法第十七条違反)
④患者さんは後遺症なく完治(←被害なくお咎めなし)

パターン2

①「骨折」の患者さんが接骨院に来院
②柔道整復師が「骨折疑い」と判断
③医師が「捻挫」と診断し、柔道整復師の施術について同意(←誤診断だが法的な問題なし)
④柔道整復師が2回目以降も継続して施術(←柔整師法第十七条違反)
⑤患者さんは後遺症なく完治(←被害なくお咎めなし)

パターン3

①「骨折」の患者さんが接骨院に来院
②柔道整復師が「捻挫」と判断したが、念のため対診(←誤判断だが法的な問題なし)
③医師が「骨折」と診断
④患者さんに懇願され、柔道整復師が捻挫として継続して施術(←柔整師法第十七条違反)
⑤患者さんは後遺症なく完治(←被害なくお咎めなし)

上記の例はすべて柔道整復師が柔整師法第十七条を違反しているが患者さんに実質的な被害がなく、柔道整復師は罰せられずに終わったという例です。

法を遵守しなければいけないということは言うまでもないですが、判断や診断が常に100%の精度にはならないことから、実際には患者さんに被害があったかどうかで、事の流れが変わると思っていいでしょう。

ほねゆきが調べた限りでは、柔道整復師が柔整師法第十七条違反で罰せられた(30万円以下の罰金)ことはないようですが、上記のようなパターンは過去に存在してたんじゃないかと思います。

通りすがり(2)

え、じゃあ骨折だったとしても柔整師が「捻挫だ!」って判断すれば、医師の同意がなくても2回目以降も継続して施術できるの?

上記の質問の答えは、

実際にはそれで捻挫として施術が進んでいくことがありえます。しかし、応急手当以外で医師の同意なく骨折に対して施術すれば柔整師法第十七条違反(30万円以下の罰金)ですし、患者さんになにか被害があった際には、患者さんの訴えにより罰せられることがあります。柔道整復師は患者さんに施術による被害が起きないように、しっかりと判断できるように勉強しているのです。

といったところでしょうか。みなさん、長い文章でしたがお付き合いありがとうございました。

なにか間違った箇所がありましたらぜひご教授いただけるとありがたいです。場合によって修正・加筆したいと思います。