ほねゆきが失敗した、接骨院での新型コロナワクチン接種についての会話

コロナウイルスの画像

はじめに

このブログは、柔道整復師の外傷施術や接骨院などの施術所関連の情報をメインにお話しする場所です。なので、本投稿において新型コロナに関する情報やワクチンの是非を語ることはありません。世論にはさまざまな意見がありますから、ほねゆきがこの場で個人的な意見を書くのは避けたいです。

もちろん、患者さんがワクチン接種することに対して「早く打った方がいい」とか「打たない方がいい」とか、そういったことを言うことの是非を書くわけでもありません。

ほねゆきの施術所内で起こった事実を共有します。

重ねて言いますが、新型コロナがどうとか、ワクチンがどうとかという話ではありません。あくまでも、患者さんの施術の話です。

何があったのか

ツイートもしたのですが、上腕骨外科頸骨折(安定期で日常生活動作は支障なし)の患者さんとこのような会話がありました。はじめは何気ない会話だったのですが…

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患者さん

先生、2回目のワクチンを打つんだけど、どっちの肩に打って貰えばいい?

ほねゆき

怪我してるほうに打つと筋肉が腫れて、動かすとかの施術ができなくなるから打つなら反対の肩ですかね〜

数日後

患者さん

先生、ワクチンを反対の肩に打ったんだけど、肩上げたらすごい痛くてさ…

まぁ人によっては副反応出るみたいですからね〜

先生がこっちの肩って言ったからこっちにしたんだけど、先生のせいで両腕使えなくなっちゃったよ!(割と強い口調)

そうですか。。。。

この患者さんは決して悪い人ではなく、副反応が強く出たことにより精神的に不安定になっていたのでしょう。確かに、昨日までよく使えていた腕が、いきなり上がらないとなるとそれなりのストレスはあるでしょう。

今回は、なんというか、やるせない気持ちになってしまいました。

副反応とは

皆さんであればどう答えるでしょうか。柔道整復師といえども医療者の端くれです。(柔整師もれっきとした医療者ですが、へり下ってこう言い方をしています。間に受けないようにお願いします。)患者さんからの体、とくに患部に関連のある部位についての質問にはきちんと答えなければなりません。

新型コロナワクチン接種後の副反応は、厚労省HP(新型コロナワクチンの副反応について)にてこのようなことが発表されています。もちろん、これだけではないと思いますが。

この中で直接的に関係のありそうなものはやはり、「接種部位の痛み・筋肉痛」でしょうか。接種した50%以上の人にでるようです。打ったら痛くなると思っていいでしょう。

質問に対する回答を考える

患者さんは突然質問をしてきます。なので医療者はある程度の想定問答を用意しておく必要があります。柔道整復師という立場であることを前提に今回の出来事を振り返ってみます。

まず、最初の患者さんからの質問への最適解を検討したいと思います。

患者さん

先生、2回目のワクチンを打つんだけど、どっちの肩に打って貰えばいい?

患者さんに質問された時にほねゆきが思いついた選択肢を羅列してみます。先ほども書きましたが、状況としては、患者さんは通院し始めて4ヶ月程度,60代,上腕骨外科頸骨折,骨折部は安定しており可動域訓練中で日常生活には支障ない程度。場所は接骨院内。ほねゆきは柔道整復師です。

1)患側の肩に打つようにすすめる
2)健側の肩に打つようにすすめる
3)どちらでもいいと伝える
4)打つ先生に聞いてくださいと伝える

ほねゆきがあの時に選択したのは2)健側の肩に打つようにすすめるです。しっかりとほねゆきなりに考えたのですが、今思うとこれは間違いだったのでは?と思います。

健側に打つように言った理由

ほねゆきが健側に打つように言った理由は以下の通りです。

  • 前提として、患者さんはワクチン接種をするという意向がある
  • ワクチン接種をすると高確率で接種部の疼痛や挙上時痛がでる
  • 患側に打つとそれらの副反応が可動域訓練の妨げになってしまう
  • もし副反応により施術が長期化すれば当初のほねゆきの整復固定などの施術になにか問題があったのではないかと、患者さんに思われてしまうと思った

どうでしょうか。客観的に皆さんが見るとおかしい点がありますでしょうか。

回答の仕方でダメだったと思う点

可動域訓練が止まってしまう可能性があることや、患者さんに不審に思われてしまう可能性があることは事実としては間違ってないと思います。しかし、もっとこうすればポイントはいくつも考えられます。大きなだめポイントは以下のようなことでしょうか。

  • 「健側に」という結果だけを伝えて、なぜ健側がいいのか理由を言わなかった
  • 患側に打った場合と健側に打った場合の予想される結果をすべて想像できておらず、患者さんに説明できなかった
  • 患者さんの患部に関わることだからと思い、すべて責任を負おうとしてしまった

では、なんと答えるのが正解だったのでしょうか。

正解が見つかりました

もし、今タイムマシーンが使えるなら(映画ドラえもんのように行き先で壊れる心配がなければ)ほねゆきはあの患者さんに対してはこう答えるでしょう。

未来のほねゆき

私はあくまでも患部のことしか詳しくは言えないですが、厚生労働省の発表によると、半数以上の人が副反応として打った部位の痛みや腫れを感じるようです。副反応が強く出れば、腕が上がらなくなる可能性も十分に考えられるでしょう。患側の肩に打った場合は、今の動かす施術やストレッチングが新しい痛みによりできなるなる可能性があります。そうなると、トータルで考えた時に回復が遅れる可能性もあります。健側に打った場合は、今よく使えている方の腕が上がらなくなる可能性があるということですから、生活での支障を今よりも多く感じるかもしれません。どちらの肩に打つかは私が決めることではありませんので、今のようなことも考えながらご自身で決断なさった方がいいと思いますよ。ワクチンを接種するときの先生にも相談してください。最終的にワクチン接種によって骨折施術に悪い影響が出た場合は、私の施術の責任ではありませんので、厚労省のホームページから問い合わせをしてみるといいかもしれません。うまく答えられずに申し訳ありません。

これが良い答えなのかはさておき、患者さんに「自分で最終決断をしたんだ」と自認させることは施術の導入においても大事なんではないかと思います。

今後ほねゆきは同じような質問をされたら一言でこう答えます。

「どうですかね〜。」