脱臼は放置するのが吉?!

びっくりする人

東京はまた寒くなってきました。公式ラインの4月のメッセージ送信数がフルアウトになってしまい、ブログの更新通知が送れず、ブログ訪問者数が減って落ち込んでいる今日この頃。

割といいこと書いてるんですよ?笑(冗談です。)

さぁ、今回は脱臼の整復についてのお話。脱臼整復の経験が少ない人ほど「余裕のない時ほど余裕をかます」を実践してほしいというような記事になっております。

トレーナーの現場などで、グラウンドで肩関節脱臼が発生した!なんて時にも、この記事のことを思い出してほしいです。術者が慌てれば慌てるほどミスや失敗が生まれるとほねゆきは思っています。

脱臼がきたらとりあえず放置します。

外傷性脱臼の多くは、患者さんが来院してからすぐに整復するのではなく、数分間ベッドに寝ておいてもらってから整復するのがお勧めです。

ほねゆきが整復を経験したものだけでのお話ですが、特に顎、肩および肘関節(小児肘内障を除く)の整復では、脱臼であることを確認してからしばらく放置するのです。整復に先立って患者さんにはベッドに寝てもらい、しばらくじっとしておいてもらう(リラックスしてもらう)ように指示します。

お分かりかと思いますが、これは筋緊張などの整復障害を取り除くためです。

もちろん、患者さんが来院してからすぐ整復を行っても、スムーズに整復できるケースも多くあります。このようなケースでは、何もしばらく放置などせず、すぐに整復しても構いません。

しかし、整復障害となる筋緊張などは整復前に起こるだけでなく、いざ整復操作を始めると起こるケースも時としてあります。整復前の筋緊張の様子はある程度予測がつきますが、整復の途中で筋緊張が起こるかどうかは整復を始めてみないと分かりません。

また、いずれの脱臼の整復を行う場合でも最近のほねゆきは無痛・無音整復(痛みを伴わない整復)にこだわっています。これを目的とするため、あらかじめ取り除くことができる整復障害はできるだけ回避しておく必要があるのです。

ほねゆきの経験上、顎関節脱臼や肩関節脱臼では脱臼による痛み(脱臼による不具合?)をはじめ、初めて脱臼した場合は整復に対する恐怖感から筋緊張が助長されるように思います。筋緊張は整復前からある場合もあれば、整復を始めて起こるケースもあります。

特に、初めて脱臼した患者さんの場合は整復前はもちろん、整復を始めるとさらに筋緊張が増すケースも少なくありません。

このような患者さんに対しては、ベッドに横になってもらってしばらく放置します。ベッドに寝て間もなくはまだその筋緊張が起こっているものの、楽にして寝てしばらくすれば、徐々に筋緊張が緩むのが分かるほどです。

疼痛や恐怖によって筋を緊張させても、そう長く筋緊張を持続させることは難しいのでしょうね。
時間の経過に伴って筋が弛緩した場合は、整復を始めると幾分筋緊張が戻ることもありますが、整復前ほど(整復障害になるほど)筋緊張は起こりません。

長時間筋を緊張させた状態を持続させていたため、疲れてもう筋緊張を起こすだけの力がないのかも知れません。

整復障害はできるだけ無くす。

先にも述べましたが、整復前には筋緊張が認められなかったケースでも、整復操作を始めると筋緊張が起こってくる場合があります。これは、筋緊張を起こすだけの力がまだ温存されていたと考えられるでしょう。

整復前に筋緊張が認められないケースでスムーズに整復ができた場合は問題ありませんが、もし整復途中に筋緊張が起こるなどして整復がうまくいかなかった場合の再整復は、1回目に増して整復障害が現れます。

恐らく、柔道整復師(術者)に対する患者さんの信頼感も整復に影響するのでしょう。柔整師に対する不信感(整復に対する恐怖心?)も、大きな整復障害の一つのようです。脱臼が来たと慌てふためいている術者に整復してほしいと思いますか?

従って、脱臼の整復は1回で行うとともに、できるだけ痛みを伴うことなく行うことが肝要です。

あえて感覚重視の文章で、ほねゆきの言わんとするところが伝わりにくいかと思いますが、いずれにせよ、ほねゆきの経験上、脱臼の整復を行う場合は整復前における整復障害の有無に関わらず、数分間ベッド上に患者さんを放置してから行うことがお勧めかと思います。

みなさんが実践していることがあれば、是非コメント欄でおしえてください!!