肘内障を整復したことがない柔整師が増えているという記事をちょっと前に目にしましたが、実際はどうなんでしょうね。
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私の教え子らへのヒアリングだと、どんな職場でもだいたい肘内障は来るようで、肘内障の整復をしたことがない1〜3年目は少数派ではないかと思っています。
ここにいるみなさんはある人が多いんじゃないかと思いますが、ぜひコメント等で教えてください。
私が「最近の柔整師は外傷をみない(機会も技術もなくみれない)」という話題が上がった時もよく言うのは、「昔からそうですよ」というもの。
これは私の師匠が言っていたセリフで、私もそう実感しているのでそう言うようにしています。
そうやって言うことの意味合いとしては、「んなことでお前ごときが嘆いてんじゃねぇ」なんですが、なぜかって、「最近の柔整師は〜」と言うのは決まって老害か業界批判論者だからです。
希望を持って柔整師とはなんなのか、自分が患者さんに、社会にどういったことで役に立ち、意義を見出すかを考えている人はそんなこと言いません。
だから、私は違った意味で老害ですが、そういう話題には相槌を打たず釘を刺します。
さて、最初に話したように肘内障はなぜか、“初心者でもできる”とか“整復の入門”として語られることが多いです。
ただ、私は簡単に見えるものこそ難しいと思えと教えられてきた身で、何の症例でもそうですが、そういった観念は危ないよと教える派です。
確かに、橈骨遠位端骨折の整復と肘内障の整復では、難易度や取り組むことへの抵抗感が違うのかもしれませんが、私は整復操作だけでは語れないと思います。
それはまさに、この記事の題名の通り「肘内障を診るにあたって、肘内障だと断定するのが1番難しい」からです。
肘内障がなぜ肘内障と言うかについては以前、それっぽいことをブログに書きました。
時代的な問題だと思いますが、今とは違って、①肘内障がなんであるかわからないというのと、②整復したら元に戻るから正体を突き止める必要がない、③レントゲンに写らない、④小児で肘内障が発生したまま献体に上がることがない、というのが理由で“内障”という名前のまま時がすぎています。
肘内障の本当の名は、「小児期特有一過性腕橈関節滑膜ヒダ嵌頓症状」です。
私が勝手に今付けただけですが、病態は表していると思います。
そのほかに思いついたのは、「腕橈関節ロッキング」とか、タナ障害ならぬ「ラック障害(笑)」ですが、どちらも半月板や滑膜ヒダが正常な状態ではないので却下としました。
肘内障はその多くが、基質的な問題はないですから。
でも、中にはあるんですね。2時発生的な肘内障や、整復されない肘内障が。
それが果たして肘内障と呼べるかはわかりませんが….
とにかく肘内障は思ったよりも奥が深く、舐めてかかるとやられます。
外傷で有名とされてる先生に「肘内障とは?」と聞くと、その人のレベルがわかるかもしれません。
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