柔整師の年収っていくら?

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ほねゆきは、いわゆる“臨床家”との付き合いはあまりありません。

あまりないというのは語弊がありますが、丁寧に言うと「自分と同様の骨折脱臼施術をしている先生としか関わりがないと感じている」といったところでしょうか。

正直、一昔前はそれでいいと思っていました。むしろ、その方がいいんだと。

話は変わって。

このブログを読んでくださる皆さんは、柔整師もしくは柔整科の学生さんでしょうからお分かりかと思いますが、柔整師ほど多様な職種はありません。

そんな雑多で素敵な業界にいるほねゆき。ある日、ふと思いました。

「柔道整復師の業界を考えた時に自分の存在や、自分の考えは少数派なのだろうか。」

これまで特定の人としか関わってこなかったほねゆき。はたして、それでいいのでしょうか。

いや、これでは自分の世界は広がりません。

今は自分とやっていることが全然違う柔整師の先生とも積極的にお話しするようにしています。

すると、「そんな悩みがあるのか」とか「そんな効果のある治療があるのか」とか、気づきが多いのです。

そういった違う土俵から生まれた疑問について考えると、意外と外傷施術における悩みも解決したりするものです。

やはりフィルターをかけずに、色々な情報を見聞きして考えることは重要ですね。

ある程度、情報の取捨選択ができるようになった時には、自分と全くやっていることや意見が違う人の話を聞いてみても面白いかもしれません。

さて、今日はそんな柔整師にまつわるお金のハナシです。

新卒の素朴な疑問

新卒者の皆さんからは就職先についていろんな質問を受けますが、中でも給料に関することが多いです。

「柔道整復師の給料は、いくらくらいなのでしょうか?」

主だった質問は、こんなところでしょうか?

さて、柔道整復師の給料と言っても一概にお答えできないでしょう。就職先によってもかなりの開きがあるようですしね。

先日はとあるグループ接骨院のHPで、「入社3年で手取り38万円!」と書いてありました。そりゃすごい。

ここでは、ほねゆきが所属する学校に届いている求人条件を元に参考程度にお話しておきましょう。

これから柔整学校に入学しようとしている方や柔整科の学生さんにとっては、リアルな情報だと思います。

柔道整復師免許を取得して間もない人の給料月額は、20万円前後が平均的なところでしょうか。だいたい17万円~23万円です。

手取りだと、もう少し少なくなります。

仮に20万だとすると、厚生年金・社会保険料などが引かれる場合は16万程度。所得税・雇用保険だけ引かれたとすると手取り19万円台でしょうか。

ここから大幅に逸脱する給与を提案しているところは、その理由を聞いた方がいいかもしれません。

それは「怪しめ」と言う意味ではありません。

理由を聞くのは、給与が高い場合はどこからそのお金が生まれる算段なのか知り、低い場合はなぜお金が発生しないのかをしっかり知っておかなければ、雇用主と就職者のミスマッチが生まれる可能性が高いからです。

ボーナスは年2回、支給されるところと支給がないところがあります。支給があるところでは、年に給料の1〜2月分が支給されるところが多いようです。

基本給が20万だとしたら、ボーナスは0〜30万くらいが平均的です。

他業種と比べると低いですね。今回は、事実ベースに赤裸々に語っています。

健康保険、厚生年金保険、雇用保険および労働保険などの福利厚生面は、適用があるところとないところがあります。

接骨院と病院での違い

なお、就職先の主だったところには接骨院と医療機関(整形外科など)がありますが、接骨院よりも医療機関の方が初任給は幾分高い傾向・・・と、これは過去の感覚値です。

一昔前までは、明らかに整形外科からの求人案内に記載されている基本給の方が1〜2万円高い傾向にありました。

しかし、現在ではほねゆきの見渡す範囲だと接骨院の求人と整形外科の求人では、それほど差がなくなってきたように感じています。

きちんと自費をとって運営する接骨院が増えたからなのでしょうか。整形外科からの求人案内の給与欄の数字はずっとほぼ変化がありません。

一昔前まで、整形外科求人の方が基本給が高かったのには、実は裏があります。

昇給がほぼないという点です。整形外科のほとんどは診療報酬からの売上が大半を占めるケースが多いと思います。

いわゆるみなしPTという制度はあるものの、柔道整復師は診療報酬を稼げません

そうなると、給与アップの材料はありません。他からの取り分を削るしかないですね。元々、給与額の設定が低い場合も多いので、1年に2000円など、少しずつ昇給するケースもあるようです。

ほねゆきの見聞きしている情報によると、だいたい月30万円程度で頭打ちです。正直、医科で35万円を超えて月給を得ている柔整師は聞いたことがありません。

対して、接骨院では最終的に歩合の給与制度も加わっていくケースも多く、整形外科勤務よりも上がり幅は少し大きいのかもしれません。

柔道整復師は接骨院の中で働いた方が収入源が多いというのは、当たり前ですね。

雇用形態は

中には、就職後1年間は契約社員として勤務し、1年経った時点で正社員として採用されるケースもあります。言わば、1年間の試用期間のようなものですね。

就職した人は、1年の間に就職先が果たして自分に合っているか判断します。

一方、採用した側は、同じく1年の間に採用した人が果たしてその職場にふさわしいか判断するものです。

1年の契約期間満了時、お互いの希望が合致したら、正社員としての採用です。

現代では、はじめから業務委託としてフレキシブルに働けるところも多いようです。

フリーランスという、「責任も技術も取り分も自分にあります」というのは、かっこいいですね。頭がいい人にとっては最高の働き方ではないでしょうか。

責任>給与となるのはなぜか

柔道整復師の仕事は責任がある仕事と言えますが、このようにめちゃめちゃ貰えるというわけではありません。

それなら、初任給が低いところは勤務時間が短かったり、楽だったりするのでしょうか?

そうではありません。

今のこの時期、どこの接骨院をはじめ医療機関でさえ経営が楽とは言えません。堅実な経営をしていかないとすぐ、立ち行かなくなりますからね。

気持ちとしては、少しでも給料が高いところに就職したいでしょうが、それだけを判断材料にするのはどうでしょうか?

あなたは、就職先に給料(収入)だけを求めているのでしょうか?もしそうであるならば、少しでも給料が高いところを探すと良いでしょうね。

それとも、就職先には給料以外に何か求めるものがありますか?例えば、外傷に対する処置を勉強したいなど。

外傷に対する処置を勉強したいのであればむしろ、給料の低いところの方がその希望を満たせるかも知れません。

給料については、あなたが就職して一生懸命に施術に携わり、就職先に収益をもたらせば給料も上がってくるでしょう。

では、なぜ給与は低くなるんでしょうか。

売上は技術の量り売り

ところで、免許を取得したからと言って、一人前でしょうか?

柔道整復師は、専門学校に行けば3年間の学校教育です。最近は大学でも柔整科ができてますので、そうなると最短で4年でしょうか。

1年間の卒後臨床研修があるとは言え、現行法では免許取得と同時に柔道整復師として臨床現場に立つことが可能です。

実際はそんなことありませんが、次の日には骨折の整復固定をしていいんです。

採用する側にしてみれば、単に柔道整復師免許を持っているだけでは施術に携わることができると言うだけで、患者さんを任せるのには不安を感じるのではないでしょうか?

免許を取得したからと言って、決しておごることなく、謙虚な姿勢で就職に臨まれることを希望します。

なお、就職後の昇給は年1回、平均して5,000円~10,000円と言ったところが多いのではないしょうか。

これもやはり、就職した人がいかに接骨院(または医療機関)にどれだけの収益をもたらしたかに比例するでしょう。

最後に、今日の記事では大変偉そうなことを書いて失礼しました。あくまでも、ほねゆきのひとりごととしてご理解下さい。