柔整師に投げかけられる疑問に答えよう! – ② –

サムネ

さて、前回の記事の続きです。

さっそく、実際にSNS上で見られた疑問に勝手にほねゆきが答えていきましょう!

※他職種からの柔整師に向けた疑問を、敢えて「相談者」による「疑問」として記述しています。

法に関する質問

1.業務範囲

相談者

柔整師の業務範囲って決まってるんですか?

ほねゆき

はい、筋骨格系の非開放的な損傷だと決まっています。軟部組織損傷と骨折・脱臼です。

“柔道整復師法 第二条 この法律において「柔道整復師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、柔道整復を業とする者をいう。”

とありますが、そもそも柔道整復師法というのは、

“柔道整復師法 第一条 この法律は、柔道整復師の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律することを目的とする。”

というものです。つまり、「柔道整復術」を定義するものではなく、「柔道整復師」を定義する法なのです。

他職種の方はこれを見ると、「柔道整復師法には柔道整復師の業務範囲が書いていない」とビックリすると思いますが、その通りです。

なぜなら、「柔道整復術」がもともと存在していたからです。

柔道整復師法は1970年(昭和45年)に公布されていますが、「柔道整復術」という単語が初めて明記されたのが、按摩術営業取締規則の一部改正時で、これが1911年(明治44年)です。

※現代において「柔道整復術」と呼ばれる治療様式は、さかのぼれば「按摩」として大宝律令が701年(大宝元年)に『医疾令』において記載があります。

その按摩術営業取締規則において「柔道整復術」はこう定義されています。

“本令ノ規定ハ柔道ノ教授ヲ為ス者ニ於テ打撲、捻挫、脱臼及骨折ニ対シテ行フ柔道整復術ニ之ヲ準用ス。”

とあり、元々は、打撲・捻挫・脱臼・骨折に対して行う治療を柔道整復術としていたようです。

打撲や捻挫というのは傷病を示すものではなく、外力や現象を表すものです。

“柔道整復師法 第十六条 柔道整復師は、外科手術を行ない、又は薬品を投与し、若しくはその指示をする等の行為をしてはならない。”

これを踏まえると、柔整師の業務範囲は筋骨格系の非開放的な損傷と言うことができます。

法的には、開放創がなければ、例えば、鼻骨骨折も、アキレス腱断裂も、顎関節脱臼も柔整師は継続して治療することができます。

 

2.医師の同意

相談者

柔整師が骨折や脱臼の施術をするには医師の同意が必要なんですよね?

ほねゆき

はい。初回処置を除いては、骨折・脱臼の施術には医師の同意が必要です。

柔整師は、骨折・脱臼に対しては2回目以降の施術をしようとするときには、医師の同意が必要となります。

“柔道整復師法 第十七条 柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、脱きゆう又は骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合は、この限りでない。”

とあり、ここでいう「応急処置」には同法の中に定義がありません。現行では、骨折・脱臼に対する整復や固定も応急処置に含まれるものと解釈されています。

 

3.診断行為

相談者

柔整師は診断できないのに、治療はできるんですか?

ほねゆき

はい、配慮しながら治療しています。

業務範囲(治療できる場合)に関しては前述の通りですが、医師でない柔整師がそれらの「診断」を行うことは適当でないと解釈されています。

“医師法 第17条 医師でなければ医業をなしてはならない。”

ここでいう医業とは、「医行為を反復継続して行うこと」と解釈されています。

「診断行為」はこの医行為に該当する恐れがあるとして、医師でない柔整師は「診断」という単語の使用や、患者さんに「診断行為」だと思われるような言動は避けています。

「診断ができない」というのは、「勉強不足でそれがなんの傷病であるか分からない」という意味ではなく、「傷病がなんであるかは分かったとしても法的に診断は行えない」というものです。

患者さんに「折れています」というのは診断行為に抵触するおそれがあるため、骨折だと分かっていても柔整師は自己防衛のために「骨折の疑いがあります」と言うのです。

さらに、文章などでは「診断」という言葉を使うのを避け、あえてその代わりとなる「判断」という単語を使用しています。

「柔整師は診断ができず、判断することしかできない」とよく言われますが、医行為にあたると思われる「診断」を行わないだけで、しっかりと患部の状況を把握することは法的にも可能です。

 

4.療養費支給規定

相談者

柔整師が扱えるのは急性の捻挫・打撲だけですよね?

ほねゆき

柔整師の業務範囲については前述の通りですが、これは急性期に限ったものではありません。

柔整師の施術を現物支給として療養費の請求を行うことがあり、この支給規定には「急性期」などといった文言があります。

しかし、これはあくまでも療養費の支給規定であり、柔道整復師の業務範囲を制限するものではありません。

つまり、柔整師の業務範囲において、傷病の経過期間は全く関係ありません。

実際の運用

1.レントゲン

相談者

レントゲンを撮らずにどうやって骨折の治療をするんですか?

ほねゆき

経過でレントゲン撮影がなくても骨折治療は行えますし、必要であれば然るべきところにレントゲン撮影をお願いするまでです。

よく、「レントゲンを撮らずに骨折を診るのは、再転位などの異常状態を見逃したりする可能性が高く危険だ」という意見があがります。

多くの場合で、柔整師は経過でもレントゲン撮影を医科にお願いしていますので、ご心配は無用です。

骨折治療の同意を頂いた医師の指示で経過の撮影を行うこともあれば、柔整師が必要と感じて撮影をお願いすることも多々あるかと思います。

「接骨院にはレントゲンがない=レントゲンを撮らずに治療している」というのは、非常に短絡的な思考かと思います。

 

2.医科への受診

相談者

柔整師は医科への受診の機会を奪っているのではないですか?

ほねゆき

人によると思います。医師の中にも柔道整復施術所への受療の機会を奪っている方はいるでしょう。

どの業界にも言えることだと思いますが、患者さんに悪害を及ぼすおそれがある行為を行う者は、正しく処罰されるべきだと思います。

 

3.不正請求

相談者

柔整師は不正請求を行なって、財政を圧迫しているのではないですか?

ほねゆき

不正を行った柔整師がいたことは、非常に恥ずかしい事実です。

柔整師が不正請求を行なっているというニュースが流れることがありますが、医科において診療報酬の巨額の不正請求が行われたというニュースが流れることもあります。

柔整師の療養費請求の審査が、医科のそれと比べてはるかに厳しく、そもそもの療養費ははるかに金額が安いことは申し添えます。

 

4.混合診療

相談者

接骨院では保険を使いながら自費も貰ってるって、混合診療では?

ほねゆき

柔道整復施術所において、「混合診療(加療)」という概念は存在しません。

そもそも療養費の構成が、自費をもらうことを前提に作成されています。

 

質問あればください。

いかがでしたでしょうか?

このブログの読者は、柔整師の方が大半を占めていますが、どう思われましたか?

是非、コメントにて新しい疑問やご意見をください!!!

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4件のコメント

だから、ね。

柔整師の業務範囲は憲法12条から始まるわけ。
憲法12条の「公共の福祉」において「何人も他者を侵襲することを禁止」されてるわけよ。
その憲法12条から「他者への侵襲行為」を免じて許されるから「免許」な訳。
これは医師だろうが看護師だろうが薬剤師だろうがあはき師だろうが同じ。
国民は平等ですからね。

で、各資格所有者であってもその資格では禁止されてることが各身分法に記載されている訳よ。
柔整師法の場合は「観血的療法」と「投薬」が禁止されてるわけ。
つまり、その2つの手法を使っての施術はダメだってことよ。
ってことは、それ以外なら憲法12条からの免許を有する身分法で定められてる柔整師は禁止されてないってわけ。
施術対象というより施術手法の限定免許って訳。
柔道整復術ってのも柔道整復師が業として行うものが柔道整復術であって、それが例えOsteopathとかChiropractorとかの手法でも柔整師がやれば柔道整復術になるって訳よ。

要は憲法12条の公共の福祉における他者への侵襲行為の禁止からの免許だってことを忘れすぎ。
それを法文だけで勘案すれば外傷に固定されているわけではない。

過去のどうのこうのってのはどうでもいい訳よ。
現行法では前提も定義されてない以上、わざわざ柔整から柔整の業務範囲を狭めることをするのは愚かだ。

だからオレは「柔道整復術」って言わずに「整復操作」って言うわけ。w

療養費の支給規定を某接骨師会の役員さんが業務範囲と勘違いしていたのは衝撃でした。
しかもそれを厚生労働省の検討委員会で、業界の代表として話していたので非常に悲しかったです。
また、新卒の学生もそのあたりを理解せず業界にでています。そしてあはき師もよくわからないまま(わかったつもりで)柔道整復師についてSNSで発信しています。
ほねゆきさんの様に正しく理解したかたの発信が多くの方へ届くよう願っております。
ありがとうございます。

ありがとうございます。先生の仰るエピソードの真偽は私には分かりませんが、法律の解釈や言葉の選び方は我々素人にとっては非常に難しいところですよね。色々な意見を聞き入れて、明らかに違う情報に対しては訂正をする姿勢もSNSでは大事だと思います。

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