詳しい説明が仇(あだ)となった一例

対立する2人

ほねゆきは常に時間が足りないと感じています。同じように思っている人も多いのではないでしょうか?

冷静に現状を分析すると、ほねゆきの処理能力が遅くポンコツであるということが露呈するので、あまり自己分析は行いませんが、先日ふと、「今はなにで忙しいのだろう」と車を運転しながら考えてしまいました。

そうすると浮かんできた答えは順番に、「接骨院」、「SNS」、「飲食事業」、「ダイエット」でした。

客観的に見てお分かりだと思いますが、すべて「自分で始めたこと」なのです。別に上記の取り組みは誰かにやれと命令されたことではありません。自分で自分を忙しくしているのです。

そう考えると、やはり自分の処理能力の低さに目が行ってしまいますが、それと同じくらい、「自分がやりたいこと」しかやってない幸せ者なんだなという事実も明らかになります。

皆さんも忙しいとか、嫌だなとか、やる気が起きないなと思ったら少し考えてみてください。そこで、やりたくない事だなと思えばやめてしまえばいいですし、やっぱりやりたいことだなと思えば、自然と続けられるはずです。

この業界にいる人は、治療を”やりたくてやっている”人の方が多いのではないかと思うので、気が落ち込んだ時は初心を思い返してみてもいいかもしれません。それでもダメなら一度やめてみましょう。

ほねゆきは自分の病気で1年ほど接骨院を閉じましたが、それはそれで楽しかったです。(笑)アドビ製品を片っ端から使い、病室でデザインや動画制作の案件を受けて家族を養いました。

好きなほうに、やりたいほうに、行きたいほうに生きましょう。では、暇な人は本編へどうぞ。(笑)

患者説明は大事です。

患者さんの傷病について施術を行うに際しては、患者さんやその保護者に対してインフォームド・コンセント(IC)を行わなければなりません。

ICは一般に「説明と同意」と訳されていますが、具体的には患者さんの傷病(病状)に関する説明にはじまり、それに対する施術方針(施術方法)および予後に至るまで説明を行い、それに対して患者さんや保護者の同意を得た上で施術に取りかかるという、言わば施術を行う前に行う手続きと言えるでしょう。

患者さんとの間で施術上のトラブルが発生し、柔道整復師が訴えられるなどして損害賠償請求問題に発展するケースの多くは、このICの不足が背景にあると聞いています。それだけにICは、一見患者さんの不安感を払拭するためのように見えて、実のところ私たち柔道整復師の立場を守る手続きであるとも考えられそうです。

さて、皆さんが日頃、施術所で患者さん等に対してICを行う場合は、どのような方法を用いて行っているでしょうか?

骨格模型などを利用して説明する先生は多いのではないかと思います。

口頭で説明するだけでは理解が得られない場合、ほねゆきは手書きで図示するなどして説明を補います。また、患者さんが必要とする情報をほねゆきが持っている書籍からコピーを取ってそれを渡すこともあります。

ストレッチングの方法や筋力トレーニングの方法などに関する説明は、実際に行うだけでなく、それらを解説したページのコピーをあげると大変喜んでもらえますね。

その時事件が起きた。

そんなこんなで、やはり患者さんへの説明は丁寧に越したことはないのですが、ほねゆきの知り合いのH先生の接骨院で、過去にこのような事件が起きました。

患者さん

先生、結局どこが悪いんですか?

H先生

膝のお皿とその下の大腿骨という土台の骨の間に滑膜というヒダ状のものがあるんですが、そこが腫れて膨らんでいるので、挟まって痛いんです。絵で描くとこのような感じですね。

どうやら、PF関節における滑膜ヒダ障害の説明をしているようです。H先生は丁寧に、膝関節の模試図を紙に書いて滑膜のイメージを患者さんに伝えました。

患者さんは詳しく説明してもらい、非常に納得した様子で、H先生の接骨院へ通うことに決めました。H先生が説明をした時の紙は、患者さんが「旦那にも説明する」と言ったので、その場で患者さんに渡したそうです。

H先生

おそらく、膝関節の年齢による形態の変化もあるでしょうから、全体のアライメントをみるためにレントゲン検査を〇〇整形外科に願いしましょうね。

患者さん

わかりました!ありがとうございます!!

H先生は地元の整形外科へレントゲン撮影を依頼したそうです。

後日、患者さんが整形外科に受診しました。しかし、患者さんが行った先はH先生の提携先ではなく、患者さんの自宅から一番近い整形外科でした。

はい、今日は接骨院からの依頼ですね。依頼書にも詳細は書いてますが、〇〇整形外科宛になってますね。どのように説明されたんですか?

患者さん

すいません、レントゲンが取れればどこでも同じかと思って、家から一番近いここで診てもらいたくて💦膝の内側でお皿の下に膜があって、そこが腫れているということを言われました。丁寧に説明してもらって、こんな紙も書いてくれたんです。私が言うより、この紙をみてもらった方が早いですよね。

患者さんは、H先生が患者さん向けに書いた、シェーマや解説の文章の書かれた紙を整形外科の先生に渡しました。

・・・・・。これには色々と書いてますが、レントゲン見て分かる通り、膝の内側の軟骨がすり減って骨が痛いんですよ?また、間違った説明をされたんですね。そもそも接骨院は診断できないのに・・・(書くのが嫌なので省略。)

患者さん

え、違うんですか?!

この記事では、痛みの原因について、どちらが正しいとか、そういった議論はしません。

しかし、困りましたね。先生によって意見の相違があることは当たり前ですが、今回は嫌な方に事が進んでしまったようです。

この後、さらに事態はめんど大変なことになります。

患者さんがH先生のところに駆け込んできて、「ちょっと、どうなってるんですか?!間違ったこと色々言っといて、自費取るんですか?お金返してください!」と言ったそうです。

さて、皆さんはどのように思うでしょうか。ICは大切ですが、患者さんに自作の何かを渡すことには、こういった危険性も潜んでいるかもしれません。トラブル防止のためにも、何か形にして患者さんに渡すのはやめた方がいいのかもしれませんね。