【実話】接骨院に来た患者の一例

監督の画像

これは8年ほど前のできごとです。それはそれは暑い夏の日でした。ほねゆきは接骨院の冷房を26度に下げて、接骨院にていそいそと事務作業をしていました。

ほねゆき

今日はもう患者さん来ねーなー・・・暑いしもう締めようかな・・・

ミーーン…ミーーン…

そんな夕暮れ時に、ひとりの女の子(高1,ラクロス部)が母親と足を引きずって接骨院の前の道路を歩いてくるのが窓から見えました。明らかにほねゆきの接骨院へ向かってきています。女の子は明らかに部活の格好のまま、母親に肩を借りてなんとか歩いています。

ガチャ…

ほねゆき

こんばんは〜。怪我ですか??

女の子

部活で足首を捻ってしまいました。。。この時間はどこもやってなくて。

ほねゆき

それは大変でしたね。お母さんまずは、問診票と当院の案内をご覧ください。

お母さん

はい…。いつ頃に治りますか?

ほねゆき

いつ治るかはまだ患部もみていないですし、これからどこに通うかも分からないのでちょっと…大切なこと色々書いてありますから、よく読んでくださいね。

お母さんが怪我した事にとても焦っている様子に少し気を取られましたが、女の子の悲痛な表情を見て、後で詳しく聞けばいいかと思いました。問診票や書類を書き終わり、すぐに診てほしいとのことでしたので、女の子を車椅子に乗せて受付から検察室へ移動しました。

ほねゆき

問診票には「ラクロスで踏み込んだ時に右足首を捻って転んだ」とありますが、これはさっきの話ですか?

女の子

はい。2時間くらい前です。高校の部活の練習試合中に捻りました。監督に言ったら、すぐに病院へ行けということで、お母さんをすぐ呼んで送ってもらいました。

ほねゆき

なるほど。ここは病院じゃないけど大丈夫ですか?

お母さん

はい…。私は治ればどこでも通わせたいです!この子、1年生なんですけど、スポーツ推薦で高校に入りまして、チームからも期待されてるんです。骨折はしてますか?

ほねゆき

骨折かどうかはまだ分からないですが、骨折であっても私は大抵のものは問題なく治せますよ。

母親のなんとも的を外した質問にすこし警戒しながらも、所見を取り、エコー検査などもした結果、腓骨遠位端骨折と三角靭帯損傷、前脛腓靭帯損傷でした。

ほねゆき

ここの外くるぶしから上3㎝くらいのところで骨折の疑いが強くあって、うちくるぶし側の靭帯と足首の前側の靱帯が傷んでます。足首によくあるタイプの怪我です。(中略)

だいたい1ヶ月半くらいでサポーターに切り替わって、運動を始めていけるのが3ヶ月くらいですね。(中略)

今日は骨を元の位置に戻した後に、膝下から指先までギプスを巻きますので、明日、提携している整形外科さんに一緒にいきましょう。

女の子

わかりました。やっぱり夏の大会は出られないですね・・・。

説明はだいぶ端折っていますが、きちんと状態とほねゆきが行えること、予後について説明した後に本人と母親の同意を得て処置を行いました。整復固定やその後の説明は問題なく終わり、紹介状を作成してこの日はすべて終わりました。

本人は痛みなくギプスで歩けるようになり、母親もだいぶ満足していただいた様子でした。しかし、「これは、問題なく通ってくれるかな…」そう安心できたのは、次の日の朝まででした。

(次の日)

プルルルルル…

あまり朝は接骨院の電話は鳴らないのですが、この日は違いました。ほねゆきの心はざわついています。これまでの経験から、前日に誰か患者さんの処置をした時の翌日の朝の電話はいい内容だった試しがありません。

でも、電話は取らねば。。。うぬぬぬ。。

ガチャ

業者

おはようございます!〇〇セラピストグループの田中と申します!今回は院長先生の治療機器の組み替えについてご提案がありまして…

ほねゆき

いや、大丈夫です。。。

つづく…