柔整師の受療委任払い

※サムネはAI生成です笑

皆さん,こんにちは.

このブログもなかなかに「柔整」という超コアな話題を取り上げて続けていますが,検索順位も順調に上がってきて,私のような,無課金勢からすると嬉しい限りです.

今までは少しでも運営費を….と思ってグーグルアドセンスに登録していたのですが,グーグルが「プライバシーポリシーを載せろ」とか「ユーザに価値のあるコンテンツを載せろ」などとうるさいので広告は消しました.

(Googleからの収入は月に200円くらいだったかな…笑)

新しく私の「オヤジギャグPOP」を表示させるようにしていますが,これにて「完全赤字垂れ流しコンテンツ」としてこのブログはリニューアルした次第です.

さて,今日はなんとも柔整らしい〈療養費〉についてのお話です.

接骨院運営者であればこの問題は身近なことと思いますが,他職種や勤務組からすると,「何それ美味しいの?ねぇ食べていい?」という話だと思います.

しかし,「療養費が安すぎる!」という問題から昨今,「私は自費で患者を診ます」という柔整の先生も増えてきています.

そもそも保険医療とは国民に「みんなで助け合おうよ」という発想で成り立って?いますが,これとは別に「自分の分は自分で払う」という思想が患者にも伝わってきたのは非常に良いことです.

そんな中,改めて今日は「柔整師の使える保険って何?」と言うところを詳しくみていこうと思います.

接骨院で保険が使える

そもそもこの記事の読者は,現代において当たり前となっている接骨院の保険制度についてご存知でしょうか.

接骨院に勤務する人は毎日,お経を唱えるように患者にこの制度の説明をしていると思いますので,もちろんご存知かとは思いますが,まずはそこから整理しましょう.

柔道整復施術所の保険制度は,病院(医科)と患者さんが体感する仕組みは同じように見えますが,実は違うものです.

柔整師(接骨院)は保険制度のうちの「療養費」を受け取りますが,医師(医科)は「診療報酬」を受け取ります.

接骨院の窓口で1〜3割の一部負担金の支払いのみで済むのは,患者さんが柔整師に対して「療養費の受療を委任」しているためです.

柔整師は毎日毎日これを窓口で患者さんに説明するので,ノイローゼ気味かと思いますが,図にするとわかりやすいですね.

本来の「療養費」の給付の姿

先ほど,「接骨院の窓口で1〜3割の一部負担金の支払いのみで済むのは,患者さんが柔整師に対して療養費の受療を委任しているため」と言いましたが,これが「受療委任払い」というものです.

日本において社会保険制度は「現物給付」を建前としていて,柔整師の施術もこれと同様に「事実上の現物給付」となった方が患者さんの利便性が上がるからです.

例えば,「怪我をしたら〇〇万円」という民間の医療保険に入った場合には,怪我をしましたと申請すれば振り込みがあると思いますが,これを『現金(金銭)給付』と言います.これに対して,社会保険制度は「直接的に自分で病院に行って保険証を提示して医療サービスを受ける」という流れになり,これを『現物給付』と言います.

もう少し詳しく言うと,柔整師は「事実上の現物給付」ですが,厳密に言えば本来は「現金給付」です.

ここで,実際の「現金給付」の流れをみてみましょう.

まず,患者さんは柔道整復師から「柔道整復術」というサービスの提供(療養の給付)を受けます.

そして,患者さんはその対価として定められた金額を柔道整復師に支払います.

次に,患者さんは自分が受けたサービスが療養費の支給規定に当てはまっていた場合に,自身の加入する保険組合に療養費の給付申請を行います.

つまり,患者さんが接骨院で受けた医療サービスについて,患者さん自身が保険組合から還付を受けると言うことです.

これは実は柔整師の施術だけの話ではありません.

療養費とは?

ここでもう少し,「療養費とはなんだろう」と言うことについてみて行きたいと思います.

先ほど言ったように,掛金に対する給付するものの給付方式は現物給付とされています.

つまり,医科,歯科,薬局などでの医療サービスは現物給付です.

その医療機関の中で「患者さんにとって大事だけどそれって健康保険で療養の給付とするのはちょっと,範囲が広すぎるよね」という場合,

つまり,「現物支給するにはちょっと大掛かりでねえか」というものに関しては特例で「療養費」と名前を変えて現金給付するのです.

柔整師の施術のことを「療養の給付」と言うことはできるかもしれませんが,健康保険制度上は保険組合は「あくまでも私たちは施術を給付してるんじゃなくてそれに係る現金を給付してるんだもんっ」ということなんですね.

これは本当に保険組合の人でさえ理解していないことで,難しい話なんです.

療養費の趣旨としては,実は現物給付の補完・特例的なものなのです.そして,もちろんですが給付できる内容には細かくルールが定められています.

療養の給付の規定

(1)療養の給付,入院時食事療養費・入院時生活療養費の支給または保険外併用療養費の支給をなすことが困難であると認めたとき,

(2)保険医療機関及び保険薬局以外の医療機関,薬局およびその他の者について診療や薬剤の支給および手当をうけたことを保険者がやむを得ないと認めたときの2つとなっている。

つまり,

(ア)無医村等で保険医療機関がないかまたは利用できない場合,すなわち,無医村あるい は医師がいても相当の距離があって応急措置として売薬を服用した場合とか,その地区に保険医がいない場合あるいは保険医がいても,その者が傷病のために診療に従事することができない場合で,やむを得ず保険医以外の医師の診療をうけた場合,

(イ)治療用装具

(ウ)柔道整復師による施術

(工)あん摩・マッサージ・指圧師,は り師,きゆう師による施術

(オ)生血

(力)移送費

(キ)その他

さらに,事業主が資格取得届を憚怠していたため被保険者証の交付をうけていなかった場合,その他保険医療機関に受診して治療をうけるに際し被保険者証を提出しえなかったと認められる場合とか,病状が緊迫した状態で保険診療を担当する医療機関をさがす余裕がなかったとか,重傷でとりあえず担ぎ込まれた医療機関が保険診療を担当する機関でなかったとかの場合も該当する.

というように,日本の保険制度はだいぶ手厚いものとなっているのです.

そして,特に柔整師の療養費の金額についてはこう定められています.

なお、これ以外に、柔道整復師、はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術料金は、一定の基準により取り扱われており、保険者側との協定によるまたは契約により定められたところにより算定することができるようになっている。なお、前述のとおり療養費支給の可否は保険者が決めるのであり、療養費の額の決定についても具体的には保険者の定めるところによる。

つまり,診療報酬の点数(金額)とは全く違うものなのです.

マジで雀の涙だということを医科には知ってもらいたいですね.

電気療法だと10割で30円とか.

1歳のお小遣いかよ!笑

でも,この療養費をあたかも現物支給のように患者さんに提供できるようになったのはそれなりの時代背景があるそうです.

柔整師と受療委任払の歴史

最後に少しだけ柔整師が「受療委任払い」を獲得した経緯について書きたいと思います.

簡単な年表を作成したのでご覧ください.

なんと昭和11年ごろにはこの受療委任払いというものが生まれていたらしく,それはそれは大変なことだったようです.

そしてそれから30年以上も経ってから柔道整復師が’単独法になります.

そして令和3年・・・・・

何やら怪しい動きが・・・・・

また次回の記事で( ´∀`)