どうも、外傷柔整師ほねゆきです。
さて、梅雨も明けていよいよ本格的な夏が始まりました。
リアルタイムで見てもらえるとは限らないブログで、季節ネタを話すのはどうかという声もあるともいますが、ここは自由な空間です。好きにさせてください。(笑)
普段テレビもネットニュースも見ないほねゆきでも、今年の梅雨が短かったという情報は入ってきました。
というより、体感で分かりました。
「夏、はやくね?」
てことで今日はそんな暑い中で、柔整師の先人たちの熱い戦いによる戦利品を紹介したいと思います。
「保険使えます」って?
接骨院の業務を行なっている人にとっては当たり前の話かもしれませんが、今回は知らない人に向けてブログにしますね。
柔道整復師の施術は健康保険の取り扱いができます。
一見、医療機関と同じように取り扱えるように思えますが、実は異なります。
柔道整復師における健康保険の取り扱いというのは、厳密には「(医療保険)療養費支給申請」と呼ばれるものです。
柔道整復師の施術が今のような形となったのは、昭和11年のことです。
当時は整形外科が少なく、骨折や脱臼などの手当ては柔道整復師が行うことが少なくありませんでした。
それまで柔道整復師による施術を受けた場合は、療養費(施術料金)の全額(10割額)を患者さんが一旦柔道整復師に支払い、その後で患者さんが保険者に保険者負担分を請求する形が取られていました。
この制度を、「償還払い」と呼びます。
その方法だと患者さんの負担が大きすぎるとして、昭和11年に特例として現在のような「受領委任払い制度」が採用されました。
受領委任払い制度と言うのは、患者さんが接骨院で施術を受けた場合、本来なら施術料金の10割額をいったん負担すべきところを患者負担分だけを支払います。
本来であれば、保険者負担分については患者さんが施術を受けた後で保険者に請求するのですが、その保険者負担分の請求を施術を行った柔道整復師に対して委任し、患者さんに代わって請求を行ってもらうと言うものです。
ですから、柔道整復師が行っている療養費支給申請(レセプト)は、患者さんの委任に基づいて行っているのです。
施術を行うと、保険請求手続き上、患者さんには療養費支給申請書(レセプト用紙)に署名してもらいますね。
これは、「患者さんが行うべき保険者負担分の請求を柔道整復師に委任します」という民法上の委任を書面化した委任状なのです。
これは、同じ施術所でも患者さんによって、「受領委任払い」とするか、通常通り「償還払い」とするかを変えて良いのです。
Aさんは委任を受けたが、Bさんからは委任を受けなかったということはあり得ますので、これは当然です。
もちろん、「委任」をするかしないかは患者さんは選択できますし、「委任」を受けるかどうかは柔整師は選択できます。
しかし、わざわざ患者さんが面倒な「償還払い」を選択することはありませんし、柔整師としても取り扱いが許可されれば、わざわざ委任を受けないことはないでしょう。
なお、医師の場合は診療を行った報酬について医師が請求するもので、柔道整復師とは異なります。
時代の流れ
このように、患者さんの権利を患者さんから委任を受けて行う柔道整復師の保険請求。
これはもう何十年も言われていますが、「柔整師の受領委任払い制度が無くなる」という迷信。
これは確かに、さまざまなところで議論されているのだろうと思いますが、ほねゆきはいわゆる自費施術を患者さんに売るようなコンサルの商売文句として広く謳われている側面が大きいと思います。
「保険が使えなくなるから自費の施術に移行しましょう」という、いわゆる広告ですね。
ほねゆきの個人的な見解としては、柔整師の受領委任払い制度の取り扱いがなくなる可能性は非常に低いと思っています。
と・・・この話題はまた今度。
このような業界の動き?もありつつ、昔から意図的に保険請求を水増しするなど不心得な柔道整復師がいると聞きます。
これは、患者さんの委任を利用して行う詐欺に該当します。
このようなことを行うと、不正を働いた柔道整復師は最高で5年間の保険取り扱い停止処分が課されます。
厚生労働省(柔道整復師指定登録機関=柔道整復研修試験財団)に備えられてある柔道整復師名簿にもその事実が記録されます。
場合によっては、せっかく苦労して取った柔道整復師免許さえ取消されてしまいます。
そればかりか、詐欺罪として刑事告訴されて懲役などの刑を受けなければならなくなる場合もあります。
1人の柔道整復師が不正を働くと、その柔道整復師個人だけではなく業界にまでその影響は波及します。
柔道整復師の保険請求は、いわば保険者からの信頼によって成り立っているもの。モラルを持って、間違っても不正がないように注意したいものですね。
なお、意図的ではなくても、ケアレスミスで間違えた保険請求を行った場合も不正請求となることがあります。
日頃から、レセプトのチェックを行う習慣が必要です。
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