柔整師である私がMRI撮影をすることが出来たので、特別にその経緯をお話しします。

柔整師もレントゲンを取ることができる

最近、こんな事がありました。

メーカーさん

ほねゆき先生、MRI使ってみませんか?

ほねゆき

MRIってあの、おっきい病院にしかないやつですか?

はい、そうです。あのMRI(Magnetic Resonance Imaging, 磁気共鳴画像診断装置)です。

接骨院でMRI撮影?!ついに逮捕か、ほねゆき…..というのは冗談です。
ほねゆきは都内で接骨院を運営しているのですが、今日(執筆日R4/2/9)色々とツテがありまして、柔整師向けの四肢専用磁気共鳴画像診断装置を使い、友人の前腕をほねゆきが撮影しました

撮影画像はメーカーさんの許可がおりず、載せられません。悔しい!けど比較的鮮明に見れました。画像構築は技師さんがやっていました。

「柔整師がMRIのボタンなんか押していいのか!」という声が聞こえてきますが、実際のところどうなんでしょう?

今回は、以下の点について今回はエピソードトークを交えて話していきます!


  • 柔道整復師専用MRIなんて本当に存在するの?
  • 法的に柔整師がMRIを扱うのは問題ないのか?
  • 実際に接骨院に設置しているところはあるのか?

出会いは15年ほど前でした

現在、ほねゆきは日本柔道整復接骨医学会以外は大きな団体に所属しておりませんので、(恥ずかしながら接骨医学会も年会費払ってるだけの幽霊会員ですが…)最近は〇〇研究会や△△学会に出席することがほぼありません。従って、最近の学会等で展示されている医療器械の事情はよくわかりません。

しかし、15年ほど前に参加した学会のロビーで「柔道整復師向け四肢専用MRI」というものが展示されていたのです。メーカーさんはどこだったか忘れました。(汗)

もちろん、展示している環境では実際に始動させることは出来ませんので、撮影している様子は見れませんでしたが、たたみ1畳分のスペースに大腿がなんとか通るかなくらいの穴の空いた機械が鎮座しておりました。

参考画像として、esaote(代理店:株式会社メディアワークス)さんの画像をお借りします。当時見たものとはすこし違いますがだいたいはこのような感じでした。

すかさず、展示ブースの社員さんに聞きました。

MRIって柔整師でも扱えるんですか?

はい!お高いですが、接骨院にも置けますよ!

なんと、15年以上前からこの世界には柔道整復師専用MRIというものが存在していたのです!

でも、法的にグレーなんでしょう?

満面の笑みでほねゆきに語りかける社員さんの顔が今でも忘れられませんが、ほねゆきは衝撃を受けました。社員さんが言うには、超音波画像観察(診断)装置の設置が認められているように、MRIの設置も良いみたいです。

接骨院における超音波画像観察(診断)装置の運用については、当ブログの別記事「エコーと柔整師の関係はまるで織姫と彦星のよう」を読んでみてください!

MRIの仕組みは磁気共鳴画像法と呼ばれ、放射線被爆がないため無侵襲で無害です。これは、超音波画像観察と同じです。確かにエコーと同様と考えれば、設置も撮影も法的には問題なさそうです。

以前のブログでも紹介したように、「検査自体に人体に対する危険性がなく、かつ、柔道整復師が施術に関わる判断の参考とする(超音波)検査」は柔道整復師が行っても差し支えないとする厚生労働省医政局医事課長の見解があります。

施術に際しては徒手筋力検査をはじめ各種の検査を行う必要がありますが、いずれも検査自体に人体に対する危険性を伴わないもの、かつ、法律で規制されていないものであれば柔道整復師が行っても許されると解されます。

前述したようにMRIは、人体に対する危険性を伴わない検査器械の一つです。ほねゆきも詳しいMRIの仕組みは全く知りませんが、どうやら体内の水分子を磁気の力で移動させて、それを機械でどうにかして読み取って画像に表現するような装置みたいです。(間違ってたら訂正ください。)

以上のことからMRIは、柔道整復施術の補助となる検査器械の一つとして、超音波画像観察装置同様に使用が許されるのでしょう。設置も、撮影も、患者さんへの使用もできるんですね。もちろん、現行の法解釈(見解)ではの話です。

しかし今後、MRIが接骨院に普及するのに伴い、超音波画像観察装置のように使用が許されることもあれば、使用が許されないとする行政側の見解が出てくるかも知れませんので悪しからず。

実際に接骨院に置いてるとこある?

法的にMRIの接骨院への設置が問題なくても、現実的に接骨院内にMRIを設置することは出来ているのでしょうか?実際に今回、メーカーさん(どこの会社かは言ったらダメと言われました)に聞いてみました。

でもこれ、実際に置いてるとこあるんですか?

いやぁ先生、それがあるんですよ!

え、まじですか?!聞いたことないけど、どこ?

実は〇〇県に〇〇会(柔整師が経営している医療法人)が経営しているスキャニング専門(診察は行わず撮影だけ行う施設)があるんです。そのすぐ横に同じ医療法人が経営する接骨院があって、まるで接骨院にMRIを置いているみたいなんです(笑)

なんですかそれ(笑)
じゃあ、接骨院にMRI置いてるわけじゃないし、医師を通さずに接骨院からの依頼で自由に撮影できるわけじゃないんでしょ?

そうなりますね(笑)

てことで、今現在(R4/2/9)で接骨院内にMRIを設置しているところはありません!(笑)
ただし、これは今回お話しさせていただいた医療機器メーカーの方の n=1 のお話ですので、全国を探せばあるかも?しれません。

まぁ何千万もするという話なので簡単には置けませんし、MRIを設置するとなれば専用の部屋を建築(改築)しなければなりませんから、普通は接骨院にMRIなんて入れません。ましてや接骨院の収益では費用を回収できません。メーカーの社員さん曰く、1日に患者さんを3千人くらいみることができれば、1年で払えるそうですが(笑)

おまとめ

今回は接骨院にMRIは置けるのか!というテーマでブログを書きましたが、法的にはおっけいだけど現実味はないし、実際においてるとこはないよねという結論でした。いつの日か、MRIがお手軽な価格になることを祈りましょう。(笑)

でも、柔整師向けに売り出している四肢専用のミニなMRIなんてものが存在するとは驚きでした。(ここだけの話、開発段階から柔整師向けに作った訳ではなく開業医の先生に向けて作ったそうですが…)

みなさんが想像するような最近のMRI(磁気共鳴画像診断装置)には一般的にはPET(陽電子放射断層撮影装置)の機能が付加され一体となったものがあるそうで、そうなればもちろん法的に柔道整復師が扱えないというのは言うまでもありません。また、今回の記事の内容に関して間違えがある場合は無知なほねゆきにお知らせくださると幸いです。

なかなかエコーで患部を描出する方法が書いてある書籍がないのですが、ほねゆきはとりあえず最近出たこれを購入して読みました。一通り体系的に書かれていると思うので、これ読んで、あとはひたすらプローブ当てる練習ですね(笑)

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