傷害保険「接骨院での診断書の書き方②」

そろそろ夏が始まります。

夏といえば蚊ですね。蚊は「虫」に「文」と書きます。

これは、ブーンといいながら飛ぶ虫であることから、「文(ぶん)」という漢字が当てられたといいます。

中国語では「文」を「ウェン」と読むそうですが、これは現代の読み方で、昔は中国でも「ブン」と読んでいたそうです。

もしも、蚊が飛ぶ時の音を昔の人が「ぷーん」と聞き取っていたらどうだったでしょうか。

もしかしたら「虫」へんに「分(ぷん)」になっていたかもしれません。「蚡」です。すでに存在していました。

「蚡」なんて漢字があるんだな〜と思い、調べてるみると

意味は「モグラ」でした。てことで、今日も診断書について書きます。

就業が全く不能な期間

前回のブログの冒頭に添付した画像をよくみてください。

よくみる診断書の書式です。

「就業が全く不能な期間」という項目がありますね。

この項目は、次の「本人の業務及び日常生活に支障がある期間」と合わせて誤解しやすいところです。

この項目を記載する際にはまず、患者さんの職業を元に考えなければなりません。単に「職業」欄に記載されたものだけではなく、患者さんからは具体的にどのような業務に従事しているか聞きます。

すでに聴取している場合は問題ないですが、施術において職業を聞く必要がなかった場合はあまり具体的には聞かないことも多いと思いますので、「診断書を書くにあたって必要な情報なので、当たり障りない範囲で教えてください」と聞く必要がありますね。

そして、その具体的な業務内容から判断して、就業が全く不可能と考えられる期間を導き出すのです。

就業ができなかった期間(会社等を休んだ期間)を患者さんから聞くことも誤りではありませんが、患者さんの中には傷病の重傷度を重めに訴える人がいます。

ですから、患者さんを疑ってかかるわけではありませんが、患者さんの訴えを鵜呑みにしてはいけません。

患者さんが加入している保険の種類(契約内容)によって、この「就業が全く不能な期間」という欄の記載が不要な場合もあります。記載が不必要な場合は書いても時間がもったいないので、保険会社や患者さんに確認した方がいいかもしれません。

例えば、会社員Aさんの例を見ていきましょう。

【例/会社員Aさん】
具体的な職務内容は事務職で、1日のほとんどがデスクワーク。

Aさんは、就業が全く不可能な期間は「10/1~10/20だった」と言ってきました。

しかし、この間に実際に傷病を理由で会社を休んだのは10/1~10/10で、10/11~10/20は少なくとも仕事ができています。

ここで、10/11~10/20の間は出勤してたんだから就業不能じゃないだろ!といって、「会社に出勤できた」=「就業が全く不可能ではなかった」とするのは短絡的過ぎるかもしれません。

このように患者さんが我々に申告する期間と、実際に通院する中で仕事を休んでいた期間が食い違っている時は、なぜ違うのかをきちんと患者さんに聞くべきだと思います。

提出する先が公務所(役所や警察署、保健所など)でなくとも、診断書に誤った内容を故意に記載すると、なんらかの罪に問われる(加担したと思われる)可能性があります。しかし、患者さんが我々に嘘を付いていてそれに大きな矛盾がなく、患者さんの申告通りに事実とは違う内容を書いてしまった場合は、責任は問われないでしょう。

では、他のパターンを見てみましょう。

【例/会社員Bさん】
具体的な職務内容は倉庫内での荷物の運び出し作業。

Bさんは責任ある仕事でなかなか休めず、傷病のため欠勤したのは10/1のみ。

しかし、10/1から10/10までの間は元々の仕事であった荷物の運び出し作業はできず、倉庫内の椅子に座ったままで、荷物の運び出しの指図だけを行いました。

Bさんの場合、10/1から10/10までの間、指図だけでもできている(就業できている)と考えられますが、日頃から自分で行っている作業は全くできませんでした。

かと言って休んでしまうと、他の従業員がどの荷物を出して良いか分からないため、やむをえず出勤して指図をしていたものです。

本来なら傷病のために休むべきところ、職責の都合上、休むことができずに出勤しています。このような場合は、たとえ出勤していても、就業が全く不可能な期間と判断して構いません。

前述したとおり、患者さんの訴えのみに頼ることなく、患者さんの具体的な職務内容と傷病の程度を照らし合わせ、就業が全く不可能かどうか考える必要があります。

なお、患者さんが会社員の場合は具体的な職務内容が把握できますが、主婦の場合はその患者さんが日頃行っている主婦としての業務を職務内容として考えます。

また、学生の場合は、学校での学生生活を就業(就学)内容として考えます。フリーターの人のように何らかの職務内容がある人はその職務内容で考えます。

無職の人は職務内容がありませんから、この場合は日頃の日常生活を職務として考えます。

施術した日を超えてはいけない

【例】
Cさん
就業が全く不可能な期間:10/1~10/5

この場合、当たり前ですが少なくともCさんは10/5以降に施術を受けている必要があります。10/5に施術を受けていなかった場合では、10/6に施術を受けている必要があります。

就業が全く不可能な期間は患者さんが決めるものではなく、柔道整復師が患者さんの職務内容や傷病の状況を元に判断するものです。

従って、就業ができるようになったかどうか判断するためには、柔道整復師が施術(診察・検査)を行っている必要があります。

ここで気を付けるべきなのは、例えばCさんの通院日が10/1と10/10の場合、5日以降で就業ができるようになったと判断する根拠に欠けてしまうかもしれないということです。

一方、10/5に施術してあれば、その時点で就業に支障を来さないと判断したと考えられます。10/5に施術していなくても、翌日の10/6に施術していれば、例外的にその前日まで就業ができなかったが6日以降就業できると判断したと考えられます。

業務及び日常生活に支障がある期間

これも、言葉の通り「就業が全く不能な期間」とは違いますね。

まず、ここに記載する期間は「就業が全く不可能な期間」よりも長くなることが必要です。

「就業が全く不可能な期間」「業務及び日常生活に支障がある期間」では、後者の方が長引くことは容易に想像できますね。

「傷病が治癒するまでは何らかの支障があって当たり前だから、治癒する日までを書くのでは?」と思われるようですが、そうではありません。

ここでいう「支障」とは、相当の支障と考えるべきでしょう。

疼痛や機能障害が残っていても、ほぼ普段どおりの業務や日常生活をこなせているのであれば、ここで証明する支障がある期間とはなりません。

具体的には概ね次のような期間とするのが一般的です。

【例/「就業が全く不可能な期間」・・・「支障を来す期間」】

3日・・・5日~14日
5日・・・7日~20日
7日・・・10日~30日
10日・・・14日~45日

【例】に記載した期間はあくまでも目安で、実際は患者さんの職務内容と症状の程度に応じて考えるべきです。

従って、上記の期間を超えるなどしてもそれ相当の根拠があれば全く問題ありません。

なお、この欄に記載する期間についても、期間の最後の日には原則、施術を行ってあることが必要です。

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