対診に用いる文章は3種類ある?!

紹介状って大変だけど大事よね…

柔道整復師は、骨折や脱臼の患者さんに対して継続して施術を行おうとする場合は医師の同意を得る必要があります。

また、骨折や脱臼の患者さんでなくても、施術を行っている上で経過が思わしくない場合は医師に診察してもらって意見を求めたりもします。

中には、柔道整復師の業務範囲外とされる症状で患者さんが接骨院に来ることもあります。例えば、早急な対応が必要な場合が多い怖い症例で言うと大動脈解離での急性腰痛などがありますよね。このような場合は、適切な医療機関でも診察を促します。

これを対診と呼びます。

さて、この対診を行う場合、どのような文書を作成すれば良いでしょうか?

「紹介状の書き方!」などといった記事はほねゆきは書きません(笑)。あくまでも分類の話です。医療機関に対診を行う場合の文書は下記の3つです!

依頼状」、「紹介状」、「施術情報提供書

むむ、、、依頼状とか聞いたことないし、紹介状もカッコがきで(施術情報提供所)って書いてる場合多いし、同じでしょ?なんて思った方。

確かに、現場では上記3つを送り先や用途によって使い分けることは少ないでしょう。しかし、実は分類があるんです!

それぞれの違いは…

  • 依頼状は、骨折や脱臼の患者さんに対して柔道整復師が継続して施術を行いたい場合、その同意を得ようとするための文書と言えるでしょう。また、骨折や脱臼の患者さんでない場合でも、今後の施術においてアドバイスを得ようとする場合、内科的疾患や整形外科的疾患など柔道整復師の業務範囲外の疾病が隠れていないか確認してもらって今後の施術に対してアドバイスを得ようとする場合にも用います。ですから、依頼状の文書中には、「ご高診ご教示をお願いします。」というふうに、指示をお願いする文言が入ります。

  • 紹介状柔道整復師の施術を放棄するものです。骨折や脱臼の患者さんに対して応急施術は行ったものの、自分の技術力では処置しかねる傷病であるから医療機関での診療に任せようとする場合に用います。また、柔道整復師が行う施術の他に、柔道整復師の業務範囲外の疾病が疑われてその業務範囲外の疾病の診療を医療機関に任せようとする場合にも用います。なお、この場合、元から柔道整復師が施術していた傷病は引き続き柔道整復師が施術を行います。医療機関に診療を委ねようとするための紹介状には、「(先生の元で)ご処置をお願いします。」という文言が入るのが特徴でしょう。

  • 施術情報提供書は、骨折や脱臼の患者さんに対する応急施術を行って、その後の診療は医療機関に委ねるものに限ります。

骨折や脱臼の患者さんに対して応急施術は行ったものの、柔道整復師の技術を超えた傷病であるためその後の治療は医療機関に任せようとする場合、紹介状を用いると前述したところです。
しかし、療養費支給申請(保険請求・レセプト)の上では紹介状を利用するのではなく、施術情報提供書を利用した方が施術料金に反映されるようになりました。

そのため、現行では施術情報提供書というタイトルを使用する場面が多いのではないのでしょうか。

なお、依頼状や紹介状は正式に書式が決まっているわけではありませんので、柔道整復師各自が独自に作成して構いません。ただし、これらの文書には最低限記載しておくべき事項があります。

一方で、施術情報提供書は療養費支給申請上に必要となる文書であるため、書式は定まっています。タイトルや書式に関わらず、受け取った次の先生にどういう目的でお手紙を書くのかを文章中に記載するのが望ましいとほねゆきは考えます。

例えば、テンプレートにある項目以外では下記のようなポイントは書くべきでしょう。

  • どのような意図で処置したか/処置しなかったか
  • 固定等した場合はそれを外してもよいか/外して欲しくない理由があるか
  • 今後の施術をしていく準備があるのか/施術が(技術的に又は法的に)困難なのか
  • 患者さんがなにを望んでいるのか(検査、通院先、対話等)

それ以外にもいろいろありますが、書ききれませんね(笑)是非、コメント等で他に書くべきことや注意点がありましたら、ほねゆきにご教授ください。(笑)

なぜこんな記事をいまさら…

そんなこんなで長々と書きましたが、この記事の訴えたいことは「文章の分類を覚えよう!」ってことではなく、受け取った次の先生にどういう目的でお手紙を書くのか、どうして欲しいのかを明確にしましょう!ってことです。

骨折疑いだから、テンプレ通り書いて印刷してハンコ押して持っていってね〜では、怖いことになるかもしれませんね。。。。(笑)

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2件のコメント

ほねゆきさん。
お勉強させていただきました。

ほねゆきさんが改名される前から、Twitterを拝見させていただいておりました。

切れ味鋭すぎて、近づけませんでしたが、急に漫画を書き出して、更にはブログまではじめられて、方向転換がえぐすぎてほっこりしています。

ほねゆきさんが伝えたいことを、今後も勉強させていただきます。

Ktさん
コメントありがとうございます。
改名したことを知っておられるとは、マニアックな方ですね笑。
「えぐい」とは、良い意味ですかね^ ^
このブログは僕が伝えたいというのを建前にしていますが、記事やTwitterでの反応を見ながら、
皆さんがどのように考えておられるかを「僕が知りたい」という側面もあります。
こちらこそ勉強させていただきます。

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